ボール盤って何?使い方を徹底解説

ボール盤って何?使い方を徹底解説

*今回の悩み人*
『ボール盤って聞いたことある?便利な電動工具らしいんだけど、詳細が全く分からないんです…聞いた話によると穴を開けることに特化したとか。

私もよくDIYをやるんですが、木材や金属に自由に穴が開けれるならぜひ導入したいなと思いましてね。穴あけって大変ですよね…』

今回の記事を読めばこんな事がわかります。

  • ボール盤に関する基礎的な情報あれこれ
  • こうやって使う!ボール盤の使用法

電動工具にはカットに優れた『切断系』をはじめ、磨く事が得意な『研磨系』など、多種多様の用途に応じたものが存在します。

今回は木材や金属に穴を開けたりネジ穴を作成したりを得意とした『開口系』のボール盤をご紹介します。

もちろん電動ドリルで穴を開けることもできますが、より正確に、より安全に作業する事に特化したボール盤の特徴や使用法を詳しく解説していきたいと思います。

そもそもボール盤ってなんなの?

SK11 卓上ボール盤 300W SDP-300V
引用:Amazon

??『うーん…これまで勉強してきた電動工具って〇〇ソーとか××カッターとか、名前だけでなんとなく何に使うかイメージ出来たんだけど、今回は本当に分からないっス。野球盤みたいにボールを弾いて楽しみながら使うとか…?』

ボール盤とは、主に金属に対して正確な穴を開けるための工作機械のことを指します。

ボールという言葉の由来に関してはいくつか説がありますが、最も有力なのがオランダ語のboor-bank(「ドリル台」の意)から採用したというものです。

英語の掘るという意味のボーリング(boring)からもじってボール、という説もありますが、この場合の日本語訳は『中ぐり』と訳されるために、意味合いが変わってしまうので間違いだという意見があります。

(ちなみに英語でいうところのボーリングマシン(“boring machine”)は地中に円筒状の穴を掘り進める装置のことを指します。)

ボール盤にはどんな種類があるの?

種類と話す作業服の男性のイラスト

ボール盤は用途に合った物を選ぶ事で、効率的に作業を進めることが可能であり、具体的な種類は下記の通りです。

卓上ボール盤
穴径13mm程度までの加工が可能
直立ボール盤
ボール盤の中でも一般的なタイプで床に直接据え付けて使用する。穴径13〜50mm程度まで可能。
ラジアルボール盤
可動式アームが搭載されており大きく重量のある工作物を移動させずに何箇所も開口可能。
多軸ボール盤
開口軸が複数搭載されている為、一度に何箇所もの穴あけが可能。(大量生産などの専用機)
多頭ボール盤
これ一台で穴あけ、座ぐり、ネジ立てなどの複数加工が可能。
深穴ボール盤
深い穴を開ける作業専用のボール盤。穴の直径よりも4倍以上の深穴を開ける作業に特化している。
ガーダボール盤
大型の工作物の加工に適したボール盤。
タレットボール盤
一台に数種類の工具を搭載し、工具を順次変えていく事で複数の作業に対応できるボール盤。
数値制御(NC)ボール盤
NCとは数値制御(Numerical Control)の略。コンピュータ制御による精密な自動加工が可能。

??『ボール盤だけでもこんなに種類があるんだね。なんとなく穴を開ける装置って事は分かったけど、穴を開けるという事は当然怪我のリスクもあるんだよね。具体的な使用方法を詳しく教えて欲しいです!』

ボール盤の使用方法を詳しく解説!


ここからはボール盤の具体的な使用方法をご紹介します。まずは【使用前の注意点と下準備】から解説していきます。

ここがポイント
  • 『軍手』やダボついた服装、袖の長い服装は着用を避ける。
  • 必ず電源コードやバッテリー等が外れていることを確認する。
  • 保護めがねの着用。

用意するもの

  • ポンチ
  • ハンマー
  • 加工物に適したドリルの刃(木工or金工)
  • CRC-556などの機械油(金属加工時に使用)

手順

STEP.1
穴あけ位置に印をつける(金属の場合はポンチ使用)
穴を開けたい位置にマジック等でしるしをつけ、加工物がアルミなどの金属の場合はポンチを使い更に印をつけましょう。

この作業をしないとドリルで穴を開ける時に材料が滑り大変危険なので忘れずに行いましょう。また、この作業をすることで目的の箇所に穴を開けやすくなるため必須の工程であります。

STEP.2
ドリル刃を取り付ける
先ほど注意点の項目でもお伝えしましたが、ドリルの電源コードがコンセントに挿さっている場合は必ず抜いておきましょう。

金属加工の場合は少しコツがあり、5〜6ミリ以上の穴を開ける場合は最初から目的サイズの刃を使うのではなく、ひと回りからふた回り小さいサイズのドリル刃を使用して開口を進めましょう。

このように2〜3段階に分けて開口をすることで安全かつ仕上がりもよく、比較的簡単に穴を開けることが出来ます。

STEP.3
加工物をしっかり固定する
ドリル刃をしっかりと装着できたら、加工対象をクランプや万力を使ってテーブルにしっかりと固定しましょう。

ドリルの回転時に生じるパワーはとても強力であり、しっかりと固定出来ていないと非常に危険です。

あろうことか、素手で加工物を抑えながら作業をした結果、ドリルの回転に巻き込まれ怪我をした人もいるので必ずクランプや万力で固定してから作業しましょう。

STEP.4
保護メガネを着用し、ドリルで穴を開ける
対象がしっかりと固定されたことを確認し、穴を開けていきます。

※アルミや銅などの金属を加工する時はドリル刃と加工対象物の両方に機械油を塗布してから開口作業を進めていきます。

本体の電源を入れてすぐに穴を開けようとすると、ドリルが噛んでしまい刃が折れたり加工物が破損する事があるので、十分にドリルの回転数を上げ安定したから穴を開けましょう。

この時、ゆっくりとドリルを当てて穴を開けます。素早くレバーを降ろして急に貫通させようとしたり、過度な力で穴を開けようとするとボール盤本体に負荷が掛かり故障の原因になるので注意しましょう。

まとめ

今回はボール盤についての基礎知識と具体的な使用方法をご紹介しました。

一般的な電動ドリルドライバーで穴を開けるよりも安全で、正確な作業ができるボール盤はとても便利なので、特に金属加工を頻繁に行う方は一台持っておきたい装置であると言えます。

DIYなどでご自宅に導入するにはちょっと敷居が高そうと思うかもしれませんが、小型卓上ボール盤などのコンパクトなタイプもありますのでこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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