ちょっとした野菜づくりから大規模な農園での防除作業まで、噴霧器はいろいろな場面で活用されています。
一方で、これから噴霧器を選ぶ方にとっては種類が多すぎて、どのタイプを選べば良いのかわからなくなってしまいますよね。
そこで本記事では、「持ち方」「動力」「用途」の3つのポイントから、あなたに最適な噴霧器の選び方を解説していきます。
記事を読めば現在販売されているさまざまな噴霧器の特徴や長所、短所も理解できますので、噴霧器選びにお悩みの方はぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
【ポイント①】持ち方で選ぶ
噴霧器は持ち方や設置方法によって作業範囲や効率が大きく変わります。今回は代表的な4つのタイプの噴霧器の長所や短所を解説していきます。
肩掛け式
小型で持ち出しやすい肩掛け式は、ちょっとした作業に気軽に使える利便性が魅力です。
片方の肩にのみ負担がかかるため、あまり大型のモデルは使いづらいという短所があります。
背負式
大容量の液剤を一度に散布できる背負式は、両手が空くため足場の悪い場所でも安全に作業できます。
容量が大きいぶん重量があるため、女性や高齢の方には扱いづらいというデメリットがあります。
キャリー式
エンジン式の噴霧器をタンクごと台車で移動できるキャリー式は、力に自信のない方でもラクラク作業できる画期的なモデルです。
タイヤで移動する構造上、デコボコした場所や段差、斜面での移動が苦手であることは頭に入れておきましょう。
据置式
大型タンクと接続して長時間の散布作業ができる据置式は、本格的な農作業に適しています。
取り扱うホースが長くなるため、取り回しやすいように農地を管理する必要があります。
斜めに移動すると作物がホースが引っかかる特性上、多品目を育てる菜園には不向きです。
【ポイント②】動力で選ぶ
噴霧器には手動式、電動式など、さまざまな動力から選ぶことができます。使用する場所や面積、状況に合わせて、使いやすい動力の噴霧器を選びましょう。
手動式
手の力でレバーを上下させて加圧する手動式は、いつでも使える手軽さと壊れにくさが特徴です。電池や燃料などが必要ないため、経済的であることも魅力的ですね。
一方で、何度もレバーを上下しなければならないため疲労がたまり、長時間作業には向いていません。
バッテリー式
乾電池や充電池の電力で駆動するバッテリー式は、レバーを動かさずに安定した水圧で液剤を散布することができます。
長時間作業するとバッテリーが切れてしまうため予備が必要になり、コストが掛かってしまうのが難点です。バッテリーが大型になると重量が増えてしまう点にも注意が必要です。
コンセント式
家庭用コンセントの電力で駆動するコンセント式は、家庭菜園や敷地内の除草作業などで大活躍します。
動作音が静かなので、密集した住宅地などでも周りに迷惑をかけずに作業できますね。
電源コードとホースが続く範囲内でしか作業できないため、他のモデルに比べて汎用性に劣ります。
エンジン式
ガソリンや混合燃料のエネルギーで動くエンジン式は、非常に高い水圧を長時間維持できるパワフルさが特徴です。
動作音が大きいため使う場所や時間帯を選ぶ必要があり、操作方法やメンテナンスには多少の知識や経験が必要になります。
【ポイント③】用途・目的で選ぶ
散布したい対象物や使いたい薬剤、肥料など、用途や目的に合わせて噴霧器を使い分けましょう。
今回は特に噴霧器が使われている3つの作業に適した噴霧器を紹介していきます。
家庭菜園
家庭菜園や市民農園などの小規模な農作業には、手動式やバッテリー式の小型の噴霧器が適しています。
手動式なら比較的安い値段で購入できますので、消毒用と肥料用に2つ使い分けると安全性が高まりますね。
除草作業
家の敷地や中規模な農園の除草作業には、背負式の噴霧器が活躍するでしょう。背負式なら長時間歩きながら散布できるため除草作業との相性は抜群です。
散布する面積が小さければ手動式を、大きければバッテリー式がおすすめです。
本格的な農作業
水田での防除作業や大規模な農場での消毒など、本格的な農作業には据置式の噴霧器を使いましょう。
据置式は水圧が強く、細かい霧を大量に散布できるため、植物にまんべんなく薬剤をかけることができます。
【まとめ】噴霧器の特徴を理解して自分に合ったタイプを選ぼう
噴霧器にはたくさんの種類があるため、それぞれの特徴を理解して最適なモデルを選ぶことが大切です。
残念ながら噴霧器の特性上、すべての散布作業に適した万能なタイプはありません。まずはあなたが散布したい場所や対象物、使いたい薬剤などを書き出してイメージを明確にしましょう。
初めて噴霧器を購入する方であれば、用途も広く、値段も手頃な手動式から試してみてはいかがでしょうか?