コンクリートを少量使用する場合であれば適当なスコップを用い手動で作っても良いのですが、それなりの量となると、手作業では厳しいものがあります。
そこで必要となってくるのがコンクリートミキサーです。今回の記事では、電動コンクリートミキサーのメリット・デメリットや選び方を解説します。
本機のメリット
- 手作業でコンクリートを練るのは、かなりの重労働ですが、本機を使用すれば、時間的にも体力的にも大きなメリットとなります。
- 自力で練るのは容易ではないので、生コンを頼もうと思っても、僅かな量では受け付けてくれません。最低でも0.25㎥の注文が必要ですが、この量は結構な量です。この結構な量の生コンですが、生コン工場を出てから1.5時間以内に打設しなければ固まっていってしまうので、1人での作業は無理です。しかし、本機で練る場合は、少量を練ることも可能ですので、作業人員は自分1人でも大丈夫です。
- 100V仕様の家庭用電源で稼働できるモデルもあります。
- 園芸用や農業肥料用、家畜の飼料の配合にも使用できます。
- 傾斜角度を持つ、混合羽根を持っているので密度の高いモルタル混練にも適しているモデルもあります。
- メンテナンスの必要がほとんどない。
- 電動ですので、オイルやガソリンなどは不要です。
- 外気温に関係なく起動が早いです。
電動コンクリートミキサーのデメリット
- 延長コードを使用すると電圧降下を生じ、ミキサーのパワーが落ちてしまう機種があります。
- ミキサー使用後の後処理の際、内部を水洗いし、洗い水を流し出しますが、セメントや砂を含んだ洗い水を地面に落とすことを何回もやっていると、数日後には地面が半分コンクリートのように固くなってしまいます。
- 生コンは管理された生コンプラントで、指定された品質通りに正確に作っているのに対し、自分でミキサーを使って作る場合は、管理できるのは砕石や砂・セメント・水の量の割合くらいなので品質の信頼性に関しては生コンには遠く及びません。
- 使用しない時の保管場所に結構なスペースを要します。
- そもそも現場に電源が無ければ使用する事ができません。
電動コンクリートミキサーの選び方
コンクリートを練る際には本機の他に攪拌機もあります。これらの機種の選び方を解説します。
攪拌機の選び方
1回転数で選ぶ
回転数は作業効率や攪拌したい材料の粘度で変わります。
回転が速いと混ざるのも早いのは当然ですが、モルタルなどの粘度が高いものだと、十分に回転しないので、注意が必要です。
逆に粘度が低いものを攪拌する場合は、低回転ではいつまでも混ざらないので、作業効率が大きく落ちてしまいます。スペック表には「rpm」で表記されていますのでチェックしてみてください。
トルクで選ぶ
撹拌機のトルクも回転数と同じように、材料の粘度によって選びます。なお、撹拌機のトルクに関しては、カタログには掲載されていません。
モーターの消費電力を目安にすることができ、低速回転の機種は高トルク、高速回転の機種は低トルク仕様で設計されている場合がほとんどです。
厳密にはモーターの種類によっても変わるので、一つの目安として考えてください。コンクリートを練る時には高トルクを用います。
回転数を調整できる高速回転の撹拌機で、回転数を下げて高粘度の材料を攪拌しようとすると、トルク不足でミキシングブレードが回転しない可能性があるので注意しましょう。
ミキシングブレードで選ぶ
ミキシングブレードは攪拌したい材料により、最適な形状が異なります。
ミキシングブレードの形状によって攪拌の具合が変わったり、使用に向かない材料があるので注意が必要です。
撹拌機は他の電動工具のように、ミキシングブレードを別途購入して取り換えることができます。
ただし、撹拌機のミキシングブレードのこうかんには工具が必要で、ワンタッチで交換という訳にはいきません。
付属されているミキシングブレードの形状は、攪拌したい材料に合わせて選ぶと経済的です。
本体重量で選ぶ
攪拌機は手に持って作業しますので、少しでも軽い製品がおすすめです。
当たり前の話ですが、モーターの重量と本体重量は比例しますので、モーターのパワーが高い撹拌機ほど重くなります。
また、本体重量だけではなく、安定した作業姿勢を取るためのハンドルが付いた機種や材料の跳ね返りを抑えるカバーが付いた機種など、製品の使い勝手にも注目してください。
電動コンクリートミキサーの選び方
本機には、モーターと回転タンク、側面についているドラムを傾けるためのハンドルと車台で構成されています。
ドラム内には材料を均等に混合するブレードが付いています。
使用用途に適切な本機を選ぶには、必要なコンクリート量を決める必要があります。
ドラム容量は最大で80%です。したがって、練り上がり量はドラム容量の80%です。ドラム容量と練り上がり量を混同しないように注意してください。
また、本機の使用頻度も考慮に入れる必要があります。
一時的な使用の場合
一つの現場用であれば、60Lのドラムで十分です。
頻繁に使用する(中規模の現場)場合
120L程度のドラムが欲しいところです。工事の規模によっては160Lか190Lの機種も考慮に入れる必要があります。
また、これ以上の規模の現場(大規模の現場)や常にコンクリートが必要な現場の場合は電源トラブルを避けるためにも、本機は向いていません。燃焼機関タイプを使用しましょう。
まとめ
今回の記事では、電動コンクリートミキサーのメリット・デメリット及び電動コンクリートミキサーの選び方を解説して参りました。いかがでしたでしょうか?
電動コンクリートミキサーは現場でさっとコンクリートを攪拌したい時に非常に便利な電動工具です。この記事を参考にして選んでみてくださいね。