皆さんは超音波カッターをご存知でしょうか?楽に切断出来て切れ味も抜群でとても便利です。
超音波カッターも様々な用途に使用出来ます。但し、それほど馴染みのある道具では無いので、使い方がよくわからない方もいるようです。
そこで今回は超音波カッターの特徴と使い方を見ていきます。是非、最後までご覧ください。
超音波カッターの特徴・超音波カッターとは?
超音波カッターは数万回/秒もの細かい振動を刃物先端のホーンに伝え摩耗熱によってプラスチック等の対象物を簡単にカットする電動工具です。
振動を与え切断時の摩擦を軽減させるので、力は不要で刃先がスルスルと入っていきます。
また、通常の刃物と違い超音波カッターでの切断後は削りカスが出ないのが特徴です。
食品用途の場合、カット面が非常に綺麗に仕上がり、特にケーキやサンドイッチ等の形が崩れやすい製品の形を崩さずカットする時に用いられます。
但し、鉄パイプやコンクリート等の非常に硬い物や陶器、ガラス等の刃物で切り難い物の切断は出来ません。
超音波カッターは通常は200mm位までの対象物を一度にスパッとカットするギロチンモデルと、薄いフィルムや不織布、プラモデル、プラスチックに対し力を入れずに切るのに最適な卓上用のモデルもあります。
超音波カッターの原理
超音波カッターは切れ味が抜群ですが、その原理は「刃物に超音波を与える事により、切断効果を強化させる」と言われています。
刃先を振動する事により、効率よく軽い力で切断する事が出来ます。切断面が綺麗なので、模型のプラスチックの白化を抑える事も出来ます。
構成は「振動子」と「発振器」からなってします。振動子には圧電素子が組み込まれており、電圧が加わると振動します。
発振器は周期的に振動子に電圧を送っており、その高速振動が刃に伝わる事で切断しています。
超音波カッターの使い方・切り方
超音波カッターは、超音波の振動を妨げるような使い方をしてはなりません。刃になるべく負担を掛けないようにしましょう。
基本的には、空中で切るのがベストな切り方です。もし、通常のカッターナイフのつもりで使ってしまうと、カッターマットまで一緒に切れてしまいます。
また、余分な力を入れると刃の固定具等の消耗を早めてしまい、回路が発熱によりサーモスタッドが働いてパワーダウンしてしまう事もあります。
削ぎ取るように刃を入れれば刃と振動部への負担が少なくおすすめの使い方です。
超音波カッターの使用上の注意点
超音波カッターを使用する際の注意点を紹介します。高速振動がプラスチックの切断に大きく役立つ事は勿論ですが、刃物への負担が大きい為メンテナンスを頻繁に行う必要があります。
刃固定具の締め付け
刃固定具の締め付けトルクの不足は、稼働時間が短くなってしまったり、刃先に負担が掛かってしまうので故障の原因にもなります。
使用していると高速振動により刃を固定しているビスが緩んでしまうので、こまめに増し締めをしましょう。
ホーン部のメンテナンス
刃を固定している部分に汚れが溜まってくると。振動が刃先に伝わりにくくなってきます。
汚れが刃の締め付け不足にも繋がるので、定期的なメンテナンスが不可欠です。
消耗品の交換
超音波カッターには下記のような消耗品があります。
- 刃固定具
- 刃固定ビス
頻度は使用状況により異なりますが、汚れたり、摩耗してきたら交換しなければなりません。
保護具の着用
超音波カッターは大変便利な電動工具ですが、切断工具です。使用中のけが防止の為に、面倒がらずに保護具を着用しましょう。
切れ端が目に入る事もあるので保護メガネは是非ともかけましょう。
超音波カッターで切れない物
- 5mm以上の樹脂はカットが難しくなります。
- 腰の無い、薄手のゴムのカットも難しいです。
- 金属・ガラス・磁器はカットできませんし、木材は焦げます。
その他の注意点
- 超音波カッターは通常のカッターナイフ等の刃物と比較して非常によく切れます。滑って、人体(手や脚等)を切らないように作業姿勢に注意して下さい。
- 通電中は誤って刃が人体に触れないようにしてください。また、躓いたり、滑ったりして他人や自分を傷つけないように作業して下さい。
- 通常のカッターで切れない物は超音波カッターでも切れません。
- カットする対象物によっては有毒ガスが発生する事もあるので、換気及びマスクを着用しましょう。
- ホビー用の超音波カッターを10分以上使用する時は、本体が発熱する場合があるので十分注意する。
- ホーンが発熱した場合は、即使用を中止し温度を下げる。
- 硬い物や切れにくいものを切断する際は、刃先に負担がかかり、刃がずれたり、破損や発熱の原因になります。
超音波カッターの用途
超音波カッターが非常に便利な事が分かりましたが、どのようなところで使われているのでしょう。
- ホビー(模型)関係:プラモデル、レジンキャスト、アクリル、塩ビ、ペットボトル等の切断
- 電気電子関係:基盤のパターンの切断、シリコン、粘土の切断
- 繊維関係:布の切断
- 包装関係:シートやフィルム、紙、段ボール等の切断
- 食品関係:パンや寿司、ケーキ、サンドイッチ、アイスクリーム等の切断
- 医療関係:石膏の切断やマウスピース等の切削等幅広い分野で幅広い用途に使用されています。
まとめ
今回は超音波カッターの特徴と使い方を見て参りました。いかがでしょうか?
超音波カッターは思ったよりもメンテナンスに手が掛かり、消耗品も交換しなければなりません。しかし、プラスチックの切断スピードは圧倒的に早くなります。
作業効率のアップを目指す方は、本記事を参考にして是非購入して使ってみて下さい。