卓上丸のこの特徴と使い方と注意点を解説

卓上丸のこの特徴と使い方と注意点を解説

*今回の悩み人*

『こないだ丸ノコを使おうとしたら親方に怒られたよ!僕みたいな初心者が扱うにはまだ早いし正確にカットするには慣れが必要なんだってさ。じゃあ丸ノコに似たような切断工具ってあるのかなぁ。』

今回の記事を読むとこんなことが分かります。

  • 卓上丸のことは?基礎知識や特徴あれこれ
  • 卓上丸のこの具体的な使い方と使用上の注意点など

丸ノコを使おうとしたところ、熟練度が足りない事を指摘され使用を止められた今回の悩み人さん。

しかし、今回は親方の名采配によって大怪我のリスクを回避できたと言って良いでしょう。

実は丸ノコは電動工具の中でも屈指の性能と引き換えに、危険性が高い事でも有名で、毎年多くの労災や死亡事故が発生しているのが現状です。

ではそんな丸ノコが卓上で使えるとしたらどんな変化があるか…?今回は卓上丸のこの基礎知識と、具体的な使用方法などを詳しく解説していきます。

卓上丸のこって何ですか?

HiKOKI(旧日立工機) 卓上丸のこ 刃径255mm AC100V 左45度傾斜切断可 FC10FA
引用:Amazon

この項目では初心者に向けた卓上丸のこの基本的な情報や、知っておきたい基礎的な知識について解説します。

そんなことはもう知っているから早く使い方とか注意点が知りたい!!という方は、どんどん次の項目へスキップしていってください。

丸ノコを据置型にして操作性や安全性を上げた『卓上丸のこ』

冒頭のお悩み人が親方に指摘された通り、通常の丸ノコはたくさんの危険が潜んでおり、半端な知識と経験で使用すると高確率で大怪我をします。

その最大の理由は『キックバック』にあります。

キックバックとは
キックバックとは、回転中の丸ノコ刃が木材に挟まって高負荷が掛かった際に強力な反発力を生んでしまいます。

すると進行方向(切り進む方向)とは真逆に丸ノコが飛び跳ね、使用者の身体を巻き込んで大きな怪我を負わせるとても怖い現象です。

??『キックバックが原因で大怪我をした方は、令和に入った現在87件も起きているんだ。そのうち一件の死亡事故も起きているし、いかに取扱いが難しいかが分かるね。』

一方の卓上丸のこはというと、丸ノコのようなキックバックの可能性は全くのゼロでは無いですが、限りなくゼロに近いと言えます。

その理由として、卓上丸のこは安定感のある据え置き型である事に加え、重量のある本体と丸ノコ部分が一体化しているので、まるまる本体が飛んで来ることは無いからです。

以上の点を踏まえると、初心者だからと言って丸ノコ系の電動工具の一切を敬遠するのではなく、安全性の高い卓上丸のこを使って技術を高め、操作感に慣れたら丸ノコを導入する流れが良いかと思います。

??『最近はプロの方もスライド丸ノコをメインにして作業をしているくらいだし、長い材料の切断をしないなら無理に丸ノコを使わなくて良いかもね。』

卓上丸のこの特徴を解説!

特徴と話す男性

ここでは卓上丸のこの主な特徴をご紹介していきます。どんな工具なのかを理解する事で、難しい加工も簡単にこなせるようになります。

特徴① 丸ノコに比べ安全性能が高く、初心者でも扱いやすい

卓上丸のこの特徴と言えば、通常の丸ノコに比べ安全性が高い点が挙げられます。

その理由の秘密は操作方法の違いにあります。

  • 丸のこは作業者が工具を手で持ってカットする
  • 卓上丸のこは動きが制限されたアームを垂直に振り下ろしてカットする

あらかじめ固定された回転刃で切断できるという事は、狙った位置に対して正確なカットができたり、予想外の事故や怪我リスクが少ないというメリットがあります。

??『丸ノコを全く触ったことのない初心者でも、経験者から卓上丸のこの使い方を教わればその日から質の高い作業ができるようになるね!』

特徴② 手振れの影響を受けず正確なカットができる

丸ノコを使用している時に作業者の頭を悩ますポイントは、『本体がブレて正確なカットが難しい』という点です。

プロであれ初心者であれ、使用するのは人間ですので100%機械の動きを制御することは難しく、切断中はどうしても手振れが発生してしまいます。

??『あんなピザくらいの大きさの刃が1分で5000回転するくらいだし、とんでもないパワーって事は私でも分かる!』

一方の卓上丸のこは、アームで固定された上下に動く丸ノコ刃を切断する材料の真上から振り下ろすようにカットする方法(ダウンカット)を用いており、手振れの影響をほとんど受けずに正確なカットが可能です。

ここがポイント
固定されたアームは精密なカットが可能なのですが、通常の丸ノコに比べ取り回しがあまり良くは無く切断能力は大きく制限されてしまいます。

また、本体価格も通常の丸ノコと比べ数万円高くなります。

とはいえどちらも便利であることは違いないので、ご自身の経験値や用途に合わせて最適な工具を選びましょう。

特徴③ 卓上丸のこには2種類のタイプがある

一口に卓上丸のこと言っても2種類のタイプがあり、今回ご紹介している『卓上丸のこ』ともう一つの『卓上スライド丸のこ』に分類されます。

ここでは2つの特徴や違いを下記にまとめてみました。

名称主な用途と特徴
卓上丸のこ
(固定タイプ)
丸ノコに比べ安全に使用できる。
しっかりと台に固定されておりアームも搭載しているので正確なカットが可能。
基本的に100Vが主流だが、最近では充電式のタイプが多く使用されている。
テーブルの角度を調整する事で、ナナメに切り上げる傾斜カットが可能。
卓上スライド丸のこ
(スライドタイプ)
卓上丸のこにスライド機構が追加されたもので、スラマルと呼ばれたりする。
この機種は丸ノコ部を振り下ろした後、前後にスライドさせて切断ができる為、
フローリングの床材などの横長な材料を正確にカットするときに便利である。
卓上丸のこ同様、傾斜カットが可能。

このように、同じ卓上丸のこでも固定タイプとスライドタイプがあり、スライドタイプは対応できる材料幅の範囲が広いという違いがあります。

その分お値段も2〜3万円ほど高くなるので、ご自身の用途に合った方を選びましょう。

??『最近ではどちらも充電式タイプが数多く発売されてるから、使い回しが良さそうだね!でも、厚材とか硬材を頻繁にカットする人はAC100タイプが無難だよ。』

具体的な使い方解説!

使い方と話す男性

ここからは卓上丸のこの使い方を解説していきたいと思います。

その1 安定した作業台や凸凹の無い床などに設置する

どんな電動工具でも、まずは安定した作業台を確保しグラつきが無いように設置することから始まります。

野外で使用するときも、出来ればしっかりとした作業台の上での作業が望ましいのですが、用意できない時は凹凸のない平坦な床に設置しましょう。

一般的な卓上丸のこの重量は5〜10kgの物が多く、据置き型機械の中では軽量の部類と言われております。

安定した作業場所は安全性に加え仕上がりにも影響するので、足場の良いしっかりとした台に置くのが理想的です。

??『5kgとかの軽量タイプは作業中に本体が動くことがあるので、本体に配置されてるボルト穴をうまく活用して作業台に固定するのがオススメだよ!』

その2 集塵機や集塵袋を装着する

丸のこ系の電動工具は削りカスがたくさん出るので、本体に集塵機か集塵袋を装着すれば後片付けや掃除がとても楽になります。

とはいえ、なかなか用意するのは難しいと思うので『集塵機アダプター』と使用しなくなった掃除機を接続してオリジナル集塵機をDIYすることも可能です。

アダプター自体は数百円で購入できますし、吸い込むためのホース等があればすぐに使用できますが、やはり性能面では正規品に及ばないので、たくさん作業される方は純正の集塵機を購入しましょう。

??『集塵機とか周辺機器は、使ってる電動工具と同じメーカーで揃えることでパーツやバッテリーを使いまわせたり互換性が出るから、できれば同じ会社で統一したいね。』

その3 各部ネジを調整して切り込み深さや角度を設定する

次は各部位の調整ネジを好みの角度や深さに変更して、精度の高いカットができるよう設定しましょう。

※調整ネジの設定を変更するときは、必ず電源コードやバッテリーを抜いてから行ってください。

調整ネジ部位は刃の近くに密集しており危険なイメージがありますが、基本的に刃は保護カバーで覆われた状態になるので安心して下さい。(改造をしていない場合)

持ち上げたアームのヒンジ部に手を挟まないよう注意し、ノコギリ刃には触れないようにしましょう。

その4 アームを振り下ろし、スイッチトリガーを引いてカットする

切断に関しては、丸ノコの右側に配置されたスイッチトリガーを指で引くことで刃が回転し、指を離すと回転が止まる仕組みです。

ここで重要なことは、刃を十分に回転させてから切断を始めるということです。

しっかり回転させないとキックバックの原因や断面が荒くなったり傷つく等のデメリットが生じます。

また、トリガーから指を離してすぐに刃の回転が止まる訳ではなく、多少の回転が残るので注意が必要です。

ここがポイント:斜めカットと傾斜カットの場合は?
角度をつけて切断する斜めカットは、ターンテーブルの方向を調整すると簡単にカットできます。

また切断面に角度をつける傾斜カットは、ノコギリ刃の傾きを調整することで正確にカットすることができます。

特に傾斜カットはデジタル角度計(デジタルアングルゲージ)があると一目で刃の角度が分かり大変便利です。

使用上の注意点ってある?

注意!

卓上丸のこはとても安全な部類の電動工具ですが、どんな工具も誤った取扱いや間違った知識では怪我のリスクが上がってしまいます。

ここでは知っておきたい注意点や事故予防のコツをご紹介します。

ダボっとした服装を避ける・軍手を装着しない

刃を高速回転させる切断工具の事故で多いのが『衣服や手袋が機械に巻き込まれる』というものです。

いやいや、そんなブカブカの服や作業パンツなんか身につけないよ!
…と思うかもしれませんが、多少のダボつきがあれば簡単に巻き込まれます。

そしてついやりがちなのは『軍手を使用して作業する』というものです。

軍手は主な素材である繊維質が悪さをして、これも簡単に刃に引っ掛かるため巻き込まれの原因になります。

できるだけジャストサイズの衣服を着用し、軍手は使用せず作業することが重要です。

十分に刃を回転させてカットする(キックバック対策)

丸ノコをはじめとする切断系の電動工具には、キックバックのリスクが常につきまとい、これをいかに回避するかがとても重要になってきます。

刃の回転が不十分な状態で材料に接触させると、材料と刃の間に強力な反発力が発生し、その力が行き場を失った結果として材料が作業者へ向けて飛び跳ねてきます。

キックバック予防法としては、刃の回転数を十分に上げてから切り始めましょう。

(※余談ですが、これに加え通常の丸ノコでは、材料の間に刃が挟まって起きる『噛み』キックバックも起きるため、材料を浮かせず捨て材等を用意して切断しましょう。)

まとめ

今回は卓上丸のこについての基本的な情報や使用法、また取扱上の注意点などを詳しく解説しました。

  • 丸ノコを使用するのはちょっと怖くて…
  • 効率よく、なおかつ安全に作業したくて…
  • 丸ノコでより精密カットがしたい…

こんな悩みを持つ方にオススメの電動工具であるということがお分かり頂けたかと思います。

この卓上丸のこは、通常の丸ノコに比べると大幅に作業性能が上がったため、初心者からプロまで安全に精度の高い作業が可能になりました。

業務やDIYでも大活躍の卓上丸ノコを使いこなせば、より作業の幅が広がりますのでこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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