切断や研磨を行うと、必ず粉じんが発生します。その粉じんというものは、健康に害を及ぼす場合もあります。その粉じんを吸い取って、空気中に撒き散らさないようにするのが集じん機です。
今回は、その集じん機の中の乾湿両用集じん機の特徴や使い方を見ていきます。ぜひ最後までご覧ください。
集じん機とは?
集じん機とは、製品の加工の過程で出る粉じんを吸引して除去する装置です。使用用途に応じてさまざまな大きさのモデルがラインナップされています。
工場の換気に使われる非常に大きなものから、家庭用の空気清浄機も集じん機といえます。また、構造が似ている製品として掃除機がありますが、目的および構造が異なります。
乾湿両用集じん機とは?
乾湿両用集じん機の場合はその名の通り、湿っていないゴミや粉じん、切り屑はもちろん、湿ったゴミや液体まで吸引することができます。現場に入り込んだ雨水も吸い込むことができるのでとても便利です。
湿ったゴミや液体を吸引する場合は、タンクに溜まった粉じんや切削屑を捨ててからにしましょう。
カートリッジ式の粉じんフィルターが付いているので、湿式使用の場合は、専用のフィルターに取り替えなければなりません。
液体を取り出す場合は、スイッチをOFFにして電源プラグを抜き、ドレンキャップを外してから液体を排出します。
湿ったゴミや液体はセットしたポリ袋に溜まり、溜まった液体とポリ袋を一緒に取り出すことができますが、それらのゴミをタンク内に直接溜めることができるモデルもあります。
集じん機は何に使う?
工場をはじめとする現場などで、木を切ったり、金属を削ったりといった加工を行うと、必ず粉じんが発生します。
何もせず作業を続けると、工場内が粉じんでいっぱいになり、製品内に粉じんが混入してしまいますし、作業者がその粉じんを吸い込んでしまうので、人体にも有害です。
そのようなことから、このような加工を行う工場では、集じん機が取り付けられて、粉じんの吸引を行っています。
また、乾湿両用集じん機の場合は埃のほかに泥水なども吸引できます。このように粉じんから、泥水の掃除まで、さまざまなところで集じん機が使われています。
集じん機の使い方
今回は粉じんがかなり発生する丸ノコと集じん機を連動させる場合で見ていきます。
丸ノコと集じん機を連動させる場合には、集じん機側の種類が電動工具接続タイプになっているものを選ばないと、連動させて使用することができません。
一般清掃用のタイプは家庭で使用される掃除機と同様です。
違うところは紙パックが無いモデルが多いのと掃除機の場合は、電源スイッチが手元に付いていますが、集じん機の場合は本体にスイッチが付いています。
集じん機と掃除機の違い
掃除機と集じん機は原理に関しては全く一緒です。モーターでファンを動かし、機器内部に空気の動きを作り、吸い込んだ空気をフィルターにかけてゴミのない空気を排出します。
集じん機と掃除機の主な違いは集じん容量とフィルターの大きさ、圧力、風量の4点です。それぞれの特徴を見てみましょう。
掃除機の特徴
掃除機は、もちろん掃除が主な目的なので圧力が高く、風量が小さいのが特徴です。
掃除口を床に押し付けで吸引するので、吸い込む空気量は少ないものの、高圧でゴミやほこりを吸い込みます。ダクトホースは集じん機より直径が小さいです。
掃除機のフィルターは面積が小さく、目詰まりしてしまいがちなので、粉じんの吸引目的での使用はできません。フィルターが目詰まりしたまま使っていると、モーターが焼けてしまうので注意が必要です。
掃除機の集じん容量は小さく、掃除機内に入っている紙パックは500mlにも満たないものがほとんどです。それでも家庭内の掃除であれば十分ですが、作業現場ではすぐにいっぱいになってしまいます。
集じん機の特徴
集じん機は、掃除機よりも圧力は低いですが、風量が大きいのが特徴です。吸引力は弱いですが、大量の空気を粉じんごと吸引しクリーンな空気に変えることができます。
また、掃除機と比べて目詰まりを起こしにくく、吸引力が衰えにくくなっています。
フィルターは面積が大きく複数組合されていますが、万一目詰まりした場合でも、モーターが焼けてしまうことはありません。
メインダクトの直径は75mm以上あり、Y型や卜型・三つ又分岐管など作業内容や用途、設置場所などに応じて最適なパーツを選んで下さい。
集じん機は、集じん容量がとても大きいのが特徴です。小型の集じん機で3L程度、大型の場合は10L越えもあります。
フィルターはこの集じん容器を囲むような形で取り付けられているので、多少の目詰まりであれば、吸引力にはほとんど影響がありません。
乾湿両用の集じん機はフィルターを専用のものに交換すれば水を吸い込むことも可能ですので、飲食店のキッチンやワックスをかけた床の水にも使えとても便利です。
まとめ
今回は、集じん機の中の乾湿両用集じん機の特徴や使い方を見て参りました。いかがでしたでしょうか?
乾湿両用集じん機は吸い込むものや使用場所によって、最適なタイプやサイズがあります。ご自身の使用状況、用途に合わせ選びましょう。