ノックアウトパンチとは、鉄板に大きな穴を開ける工具です。
ただ穴を空けるだけなら、他の方法はいくらでもあります。それでも、ノックアウトパンチを使えば、きれいな穴を簡単に開けることができます。
この記事では、ノックアウトパンチの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。
ノックアウトパンチの特徴
ノックアウトパンチの先端には「ダイス」と呼ばれる刃物が付いています。その刃物を油圧で鉄板に押し付けることで、キレイに穴を開けられる仕組みになっています。
ノックアウトパンチは、おもに手動式と電動式の2種類に分けられます。
手動式のものは、手でレバーを握って穴を開けます。レバーと刃先がホースで繋がっているものもあり、このタイプなら狭い場所での穴開けもスムーズにできます。
電動式のノックアウトパンチは、力を掛けずに穴を開けることができます。手動式よりも速く穴を開けられるので、大量に穴開けが必要な現場では非常に重宝されます。
ただし多くの場合、手動式よりもかなり高価です。
ノックアウトパンチを使うメリット
粉や切りくずが飛ばない
ホールソーなどで穴を開けるときには、「切り粉」とよばれる鉄粉がたくさん出ます。
しかしノックアウトパンチで穴を開けるときには、粉が出ることはほとんどありません。これは、摩擦ではなく油圧で刃を押し付けて穴を開けるからです。
それに加えて、ノックアウトパンチは穴あけ箇所全体を覆います。それで、切りくずさえも落とすことがありません。
このように、ノックアウトパンチを使えば、現場をきれいに保つことができます。
バリが出ず、仕上がりがきれい
ノックアウトパンチでは、油圧を利用してスムーズに穴を開けられます。そのため、きれいでバリのない穴が仕上がります。
他の方法で穴を開ける場合は「バリ取り」をしてやる必要が生じますが、ノックアウトパンチで穴を開けることでこの余分な工程がカットされ、効率よく作業を進めることができます。
他のものを傷つけない
ホールソーなどの穴を開ける道具の多くは、刃がむき出しになっています。そのため、穴を開けたい鉄板以外の部分を傷つける危険があります。
ノックアウトパンチは、穴を開けたい場所に刃を完全に固定し、しかも全体を覆ってしまいます。他の物に刃が触る心配がなく、安心して作業ができます。
ノックアウトパンチのデメリット
ノックアウトパンチの唯一とも言っていいデメリット、それは値段が高いことです。
手動式なら出費を抑えられますが、それでも安くて10,000円前後はかかります。電動式はさらに高価で、プロユースのものなら10万円を超えるものも珍しくありません。
そこまでのお金はかけられない…という場合は、ドリルドライバーの先端に取り付ける「ホールソー」も選択肢に入れられます。安いものなら、2～3,000円で購入可能です。
ただし、仕上がり具合はノックアウトパンチにかないません。粉の飛び散りも防ぐことができません。
このような要素を考えたときに、やはりノックアウトパンチは優秀な工具だといえます。
まとめ
ノックアウトパンチは、油圧を利用して鉄板に穴を開ける道具です。
他の工具を使用する時よりもきれいに穴を開けられます。しかも、現場の他のものを汚したり傷つけたりする心配もありません。
ただ、値段だけがネックになります。しかし、これからも鉄板に穴を開ける機会が多いなら、買っておいて損はしない工具です。
