*今回の悩み人*
『ボール盤のメリットとデメリットが知りたいんですが、詳しい人が周りに居なくて困っていました…』
今回の記事を読み終わるとこんな事が分かります。
- ボール盤の基本的な知識
- ボール盤のメリットとデメリットについて
金属や木材に穴を開ける事が得意な電動工具といえば電動ドリルドライバーを使用します。
しかし、より正確に穴を開けたい場合や安全にスピーディに作業をしたい場合はボール盤の出番であります。
今回はそんなボール盤の基礎知識やメリット・デメリットを詳しくご紹介しますので、購入を検討している方は参考にしてみて下さい。
ボール盤とはどんな電動工具ですか?
この項目では初心者の方に向けたボール盤の基本的な情報や特徴を解説していこうと思います。
基礎は知っているけどボール盤を導入する事のメリットやデメリットが知りたいという方はこの項目をスキップして次の項からお読みください。
ボール盤はより正確でスピーディに穴を開けるための装置
加工物に穴を開ける場合、電動ドリルドライバーを使用して作業するのが一般的ですが、手に持って作業をする為どうしても正確性や安全性に欠ける部分があります。
精密な作業を要する場合は、どっしりと床面に設置されたボール盤を使用することで加工物を正確に捉え、固定し、狙い通りの場所に穴を開ける事が出来ます。
電動ドリルドライバーと比べると仕上がりに大きな差が出るため、特に金属加工には必須と言える機械です。
??『さっきから気になっていたんだけど、ボール盤は電動工具じゃなく機械とか装置というジャンルなの?』
基本的にボール盤は電動ですが、電動工具とは少し違います。
主にボール盤は床や卓上に据え置いて使用するため、手に持って扱う事がないので装置や機械という名称で呼ばれます。
ボール盤はたくさんの種類がある
ボール盤と一言で言っても色々あり、卓上で扱える物から大型工作物の穴あけに対応出来るものまで様々です。
具体的な種類と用途を下記にまとめてみました。
卓上ボール盤 | ボール盤の中でも一般的なタイプで床に直接据え付けて使用する。穴径13〜50mm程度まで可能。 |
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直立ボール盤 | ボール盤の中でも一般的なタイプで床に直接据え付けて使用する。穴径13〜50mm程度まで可能。 |
ラジアルボール盤 | 可動式アームが搭載されており大きく重量のある工作物を移動させずに何箇所も開口可能。 |
多軸ボール盤 | 開口軸が複数搭載されている為、一度に何箇所もの穴あけが可能。(大量生産などの専用機) |
多頭ボール盤 | これ一台で穴あけ、座ぐり、ネジ立てなどの複数加工が可能。 |
深穴ボール盤 | 深い穴を開ける作業専用のボール盤。穴の直径よりも4倍以上の深穴を開ける作業に特化している。 |
ガーダボール盤 | 大型の工作物の加工に適したボール盤。 |
タレットボール盤 | 一台に数種類の工具を搭載し、工具を順次変えていく事で複数の作業に対応できるボール盤。 |
数値制御(NC)ボール盤 | NCとは数値制御(Numerical Control)の略。コンピュータ制御による精密な自動加工が可能。 |
また、電動ドリルをほんの少し改造した変わったボール盤もあります。
実は『ドリルスタンド』を使用すれば、お手持ちの電動ドリルをボール盤のように使用することが可能になります。
ドリルスタンドは電動ドリルの補助具で、ドリルを垂直に立ててスタンドに固定する事でボール盤に似たような形になり、加工物に正確な穴を開ける事が出来ます。
ボール盤よりも小さく手軽に扱うことが出来るので便利ではありますが、やはり専用の機会に比べると精度が落ちるので、精密作業をする際はボール盤に軍配が上がることを覚えておきましょう。
ボール盤のメリット、デメリットとは
ここからは、ボール盤の具体的なメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
購入を検討している方はこちらの項目を参考にして、自身の用途にピッタリ合っているかをじっくり見極めてみましょう。
まずは一覧にするとこんな感じです。
- 正確な穴あけが出来る
- 精密な作業を数多くこなせる
- 頑丈で長く愛用できる
- 本体がとても重く置き場所に困る
メリット① 正確な穴あけが出来る
この点において、電動ドリルや他の穴あけ工具との大きな違いはドリル部と加工物がしっかりと固定されている、という所です。
電動ドリルを使用する時、確かにクランプや万力を使用して加工物を固定しますが、ドリルは人間が手で持って穴あけをするので正確さに欠けてしまいます。
狙った場所に正確に穴を開けるにはボール盤が最適です。
メリット② 精密な作業を数多くこなせる
針の穴に糸を通す作業を何度も、繰り返し行なって下さいと言われたら誰でも嫌な気分になると思います。
金属加工においては精密な作業がつきもので、わずか数ミリのズレが大事故や怪我のリスクに繋がりかねません。
そんな神経がすり減るような作業を、手作業ではなくボール盤で行う
事で大幅に簡略化することが可能です。
固定された加工部を固定されたドリルで穴あけ…一見すると大した事ではないように思いますが、これが大事なポイントです。
メリット③ 頑丈で長く愛用できる
他の工具や機械に比べると、ボール盤は滅多に壊れないというメリットがあります。
もちろん定期的なメンテナンスが大前提の話ですが、工場や設計、研究部署などで使用されているボール盤で20〜25年は平気で稼働しているという話をよく聞きます。
同じくお金を出して購入するなら長く使えたほうが嬉しいですし、使用した時間に比例して愛着も湧くというものです。
デメリット① 本体がとても重く置き場所に困る
ボール盤は他の電動工具に比べとても重量があり、そのほとんどが据え置いて使用するので取り回しが悪いことを覚えておきましょう。
自宅に設置する場合は一定のスペースを確保する事と、ご家族としっかり話し合った上で導入することをオススメします。
またコンパクトな卓上小型ボール盤や電動ドリルをボール盤のように使うドリルスタンドもあるので、そちらも併せて検討してみましょう。
まとめ
今回はボール盤の基本的な情報と導入する事でのメリットやデメリットを詳しくご紹介しました。
一見するとDIY初心者には敷居が高く導入するにはハードルが高い機械かと思われがちですが、正確な穴を開ける必要がある作業を数多く行う機会が多い方は導入して損はしないでしょう。
結果として身体的な負担も減り、他の作業の効率も上がりますので精密作業を繰り返し行う方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。