住宅の内装工事で床材や壁、窓枠などを留める時に使う仕上げ釘(フィニッシュネイル)を効率的に打ち込めるのがフィニッシュネイラという工具です。
この記事では、フィニッシュネイラとはどんな工具か、特徴、使う時の注意点、メリット、デメリットを解説しています。
フィニッシュネイラとは
フィニッシュネイラとは空気の圧力やモーターで仕上げ釘や超仕上げ釘などの細く小さい釘を木材に連続して、打ち込める便利な工具です。
仕上げ釘を手作業で打ち込むのは大変な労力と時間が掛かりますが、フィニッシュネイラを使えば、短時間で作業ができます。
取り扱いのある工具メーカー
フィニッシュネイラの取り扱いがある大手工具メーカーはマックス、マキタ、ハイコーキなどです。他の工具に比べると販売している会社、モデル数が少ない部類に入る工具になります。
仕上げ釘とは
フィニッシュネイラが打ち込む仕上げ釘(フィニッシュネイル)とは、釘の頭の大きさが1.9mmほど、長さ1.25~1.3mmの細い釘です。
さらに小さい超仕上げ釘(スーパーフィニッシュネイル)と呼ばれる釘もあります。釘の大きさは1.4mm、長さは1.25~1.3mmほどです。
釘を選ぶ際は、メーカーが指定したものを使うようにしましょう。指定されていないものを使うと釘が折れたり、弾けたり危険です。フィニッシュネイラ自体が壊れる場合もあります。
作業現場
フィニッシュネイラを使う作業現場として多いのは、住宅のフローリングや周り縁、幅木など内装工事です。
接着剤を使用しない住宅や接着剤に不向きな場所の固定にもフィニッシュネイラは重宝するでしょう。
フィニッシュネイラの種類
大きくフィニッシュネイラは充電式とエア式の2種類が販売されています。それぞれの概略を解説します。
充電式のフィニッシュネイラ
充電式バッテリーで作動し、エアコンプレッサーの用意をしなくても、現場で使用が可能です。
マキタ、ハイコーキの充電式の工具を持っている人は、バッテリーの使いまわしができるため、作業が効率的にできます。
ただし、充電式のフィニッシュネイラはバッテリーの重量が追加されるため、エア式よりもやや重くなります。モデルによって異なりますが、およそ2㎏前後です。
エア式のフィニッシュネイラ
エア式は別途エアコンプレッサーを用意する必要がありますが、長時間連続作業が可能なため、内装工事の規模が大きい時は充電式より便利に使えるでしょう。
そして、本体がバッテリー式に比べて軽量なため、長時間の作業でも疲れにくいといえるでしょう。ただし、エアホースの取り回しやエア漏れなどに注意する必要があります。
エア式のフィニッシュネイラには、高圧用と常圧用の2つのタイプがあります。すでにエアコンプレッサーを持っている場合は、圧力を確認して対応するフィニッシュネイラを選びましょう。
基本的には高圧用のフィニッシュネイラのほうが強い力で仕上げ釘を打ち込めるため、硬い部材に打ち込みをする時や釘を奥深くに打ち込む作業に適しています。
使い方
使い方は打ち込む部材に、フィニッシュネイラの先端を押し当ててからトリガーを引くだけです。すると、空気の圧力、もしくはモーターで釘が打ち込まれます。
釘の入り込む深さは調整できるため、作業現場に合わせて調整しましょう。
フィニッシュネイラは釘を発射する工具のため、基本的には先端部分を木材などに押し当ててからでないとトリガーが引けない構造になっています。
とはいえ、安全のため作業で打ち込む以外はトリガーにロックを掛けておくのが推奨されます。
使用時の注意点
前述の通り、釘を打ち出す大変危険な工具のため、使わない時は必ずトリガーをロックしてください。そして、仕上げ釘はメーカーの指定したものを装填するようにして下さい。
他にも、エア式であれば、エアホースの接続時にエア漏れや異音の確認を行います。充電式の場合も同様に異音のチェック。それ以外にバッテリーの発熱や異臭などが起きていないか確認を忘れずに行ってください。
作業する時は作業者だけでなく、安全のため周囲の人も必ず保護メガネを着用するようにしましょう。打ち込むはずの仕上げ釘が跳ね返ってくる場合があるからです。
フィニッシュネイラのメリット、デメリットを解説
ここからは仕上げ釘を打ち込める工具のフィニッシュネイラのメリット、デメリットを解説します。
メリット
メリットは仕上げ釘の打ち込みを均一に、短時間で仕上げられるところです。本来仕上げ釘を打ち込む時には神経を使い、均一に打ち込み続けるには熟練が必要です。
しかし、フィニッシュネイラを使えば、熟練した技術が無くても仕上げをきれいにできます。
特に作業量の多い床張りでは、均一に釘を打ち込めるフィニッシュネイラは重宝するでしょう。
デメリット
その反対にデメリットは、取り扱いをほかの一般的な工具以上に慎重に取り扱わないといけないことです。
そして、必ず保護メガネの着用をして下さい。圧力で仕上げ釘を打ち込む際に、釘が折れたり、何らかの理由で釘が弾かれたりすると跳ね返ってきて、目に当たると失明の危険性が常にあります。
他にも、打ち込む際に発射音があるため、現場が狭くて音が反響、こもるような場所では耳栓が必要になります。
ほこりや粉じんが多い現場では、防じんマスクを着用したほうがよいでしょう。
以上のように作業する人、作業する場所の両方に一定の配慮と注意が必要になるのがデメリットと言えるでしょう。
まとめ
フィニッシュネイラは一般的な工具ではありませんが、内装工事では仕上げ釘を瞬時に打ち込めて、とても便利なツールです。
ただし、取り扱いには十分に注意が必要です。ケガ防止のために保護メガネの着用や作業前の工具点検を念入りに行ってください。