充電式のバッテリーを交換して使う充電インパクトレンチはとても便利です。こちらの記事では、前半で充電インパクトレンチの活用方法をシチュエーションごとに分けて解説します。
後半では充電インパクトが「エアインパクトレンチ」や「電源コード式インパクトレンチ」よりも安全性が高められる理由についてご紹介しています。
充電インパクトレンチはどんなシチュエーションで使える?
充電インパクトレンチは、先に取り付けるソケットを変えて、幅広い作業に対応が可能です。
特に出番があるのは鉄骨の組み立て、車のタイヤ交換、DIY作業のとき、ネジやナットをある程度のトルク(締める力)で締める、緩める必要性があるときに重宝します。
鉄骨の組み立て
建設現場では鉄骨や足場の組み立てのとき、ボルト締めの作業を行います。
この作業でボルトは一定以上のトルクで締める必要があり、充電インパクトレンチがあれば、電源コードの取り回しを気にせずに、連続してボルトの締め付けを効率良くできます。
高所作業
鉄骨の組み立て作業の1つに分類されるものですが、そのなかでも、高所作業で重宝するツールは充電インパクトレンチです。
高所作業では、特に電源の確保が難しい場合が多く、そういったときに充電インパクトレンチがあれば、高いトルクでボルトの締めつけ作業を効率的にできます。
予備バッテリーを持っていけば電池切れの心配もありません。
タイヤ交換
車のタイヤ交換で充電インパクトレンチを使うと、タイヤの脱着作業の時間は大きく短縮されます。
人の力でナット緩めるとき締めるとき、どちらもかなり力が要ります。しかし、充電インパクトレンチがあると簡単に作業を進めることができます。
トルク設定ができるインパクトレンチも多いので、ナットを締める作業で締め過ぎてネジ山をつぶしてしまうことも防げます。
DIY
DIYやちょっとした作業でボルト締め作業があります。最近は大型家具で組み立て式が多くなり、ボルト締めで作るものもあります。手作業でボルト締めするより、簡単で確実な作業ができます。
また、ソケットをアダプタビットに換えてしまえば、締めるのがネジであっても対応できます。
インパクトドライバーの代わり
締めすぎに十分注意が必要ですが、充電インパクトレンチは電動インパクトドリルの代わりとして使うことが可能です。
工具メーカーからドリルビット、ドライバービットの取り付けができるアダプタビットが販売され、Amazonや楽天でも簡単に見つけることができます。
これを取り付けるとドライバービットや6角レンチビットも使うことができ、ナットやボルト以外の締めつけ作業ができます。
ただし、締めるトルクが強いため、トルク調整をしないとネジを回し過ぎて、潰してしまうため注意が必要です。
錆びついたボルト、ナットを緩める
名前の通り「インパクトレンチ」にはボルトやナットに一定間隔で衝撃(インパクト)を与えます。この衝撃がサビで固着したボルトやナットを緩めるのです。
この作業は慎重に進める必要があります。しかし、しっかりと手順を踏んでやると時間のかかる作業が一気に終わります。
充電インパクトレンチがあると安全性を高められる理由
ここからは充電インパクトが「エアインパクトレンチ」「電源コード式インパクトレンチ」よりも安全性が高められる理由についてもご紹介します。
ツールコントロールが容易
工具が「暴れる」という表現を使うツールコントロールについてです。強いトルクでボルトの締め付けをするとき、工具のトルクに負けて、作業する人が疲労して、最悪の場合ケガをすることがあります。
その場合、工具のパワーがあり過ぎるか、工具自体が大き過ぎ、重すぎることが理由と言われます。
充電インパクトレンチは持ち運びを前提で工具を設計されており、大きさも小ぶりのものが多いです。重さもバッテリーを変更するとある程度の範囲で調整ができます。
加えて、出力制限を設定でき、トルクの上限もモデルごとで分かれており、必要以上のトルクで作業するのを避けられます。
圧力漏れの心配がない
エアインパクトレンチと比較した場合ですが、充電インパクトレンチはエアコンプレッサーを使用しないため、圧力について心配する必要がありません。
エアコンプレッサーはタンクに空気を貯めて、圧力を作りエアインパクトのトルクを生み出しています。
エアコンプレッサーは定期点検や日常点検の必要があり、異常が起きたときは、すぐに使用を中止する必要があります。充電インパクトレンチはバッテリーのため、そういった心配がありません。
高所作業でコードの取り回しが不要になる
高所作業でコードの取り回しを考えながら、作業するのは労力と手間がかかります。場合よってはコードが事故の原因となることもあります。
充電式バッテリーで駆動するインパクトレンチであれば、コードに関する問題を考えなくてよいため、高所作業の安全性を高めることができると言えるでしょう。
まとめ
充電インパクトレンチは対応可能な作業が多く、取り扱いやすい工具です。
作業内容によっては「電源コード式インパクトレンチ」や「エアインパクトレンチ」よりも安全性を高めることができます。