電動工具は工夫しなければ性能が半減してしまう理由

電動工具は工夫しなければ性能が半減してしまう理由

電気だけで使える電動工具。しかし、電動工具は使いかたを間違えると性能が低下してしまう可能性があります。

特に充電工具は使う場所を選ばない便利さがあるため、無理な使いかたや不適切な環境で使うと工具が内部から劣化、性能が落ちていく可能性が高いと言えます。

電動工具で性能を半減させる理由と性能を落とさないように使用する工夫とはどんなものでしょうか。

性能の把握

いろいろな電動工具

電動工具の性能を把握しないで、工具を使い続けていると対応できない作業を無理やりやってしまいモーターが焼き切れを起こし、工具内部を消耗させてしまいます。

無理な作業や適していない作業で電動工具を酷使しないように、注意すべきは電動工具の性能の把握と仕様の過信を避けることです。

締め付けトルク

締め付け工具の最大締め付けトルクを把握しておきましょう。作業するうえに十分なトルクがあるかを事前に調べておくと対応できない工具を無理やり使ってしまうのを避けられます。

締め付けトルクが低く、足りないトルクで無理やり締めようすると電動工具を全開で使い続け、モーターの消耗が進み、性能が低下していくでしょう。

消費電力(W)

もし仮にトルク(Nm)の表記がなかったとして、消費する電力である程度の判断が可能です。

消費する電力(W)が大きいものほどパワーがあるとされており、例えばインパクトレンチで締め付けトルクが400Nm(ニュートンメーター)以下のモデルであれば280~400Wぐらいが目安。

それ以上の高いトルクで締められるモデルは消費電力1000Wが目安となるでしょう。

防水、防じん仕様

雨のイメージ画像

現場によっては屋外で作業したり、粉塵が大量に出たりする環境で作業をします。そういった対策として工具には防水や防じん仕様がされていますが、過信してはいけません。

工具の防水、防じん仕様はあくまで“多少”耐性がある程度と認識しておくほうが工具の性能を下げてしまうのを避けられるでしょう。

防水仕様

屋外の雨降りでも防水仕様だから“濡れても大丈夫”というのは過信し過ぎで、水に濡れたら、できるだけ早く拭き取り、水分を取るようにするほうが工具は長持ちします。

防水仕様なら工具内部に水が入らないわけではありません。水が入ってもすぐに壊れない。動作不能にならないだけで、水分は徐々に工具内部に浸透していきます。

そこから徐々に腐食がはじまり、工具が内部から劣化していきます。

防じん仕様

現場で作業中に大量にでる粉塵、木材、鉄骨、セメントなど細かな粒子は工具の可動部分に長く接触させるのは遠ざけておくべきと言えるでしょう。

特に作業中に工具が粉塵まみれになってしまった場合は清掃が必要と言えます。防じん仕様であっても工具の可動部分から粒子は入っていくでしょう。

それがモーターの回転部分となると、細かな粒子が工具の回転運動を阻害して、回転するモーターの力を弱めてしまう可能性は十分にあります。

充電バッテリーの取り扱い

電動ドリルを使用しているところ

工具が防水仕様であってもバッテリーまで防水仕様とは限りません。特にバッテリーの取り付け口は端子がむき出しとなっており、水やホコリの浸入は避ける箇所です。

水分や細かな粒子が浸入した状態で使うと漏電したり、ショートしたりして、工具の性能に悪影響がでます。

バッテリー劣化

不適切な充電を繰り返しするとバッテリーは劣化していきます。

特にバッテリーの劣化が起きやすいとされるのは不適切な充電と熱とされ、それ以外にも落下などの衝撃もバッテリー性能を落とす原因です。

充電のタイミング

バッテリーの種類(ニッカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池)によってバッテリーの充電時期が違うため、適切なタイミングで充電しましょう。

どれも同じような扱いをしていると過充電になっていたり、蓄電量が減ったりします。

ニッカド電池・ニッケル水素電池は蓄電量を使いきって充電するのが推奨され、その反対にリチウムイオン電池は使いきる前に充電をしたほうが好ましいとされ、逆の対応が必要です。

またリチウムイオン電池は充電後の放電があり、過放電はバッテリー寿命を縮めるとされます。使うバッテリーの種類を確認し、適切な取り扱いをしましょう。

過熱に弱い

バッテリーは種類に限らず共通して熱に弱い特性を持っています。

充電器に冷却機能が付いていれば問題は軽減されるはずですが、充電中にバッテリーに熱を感じるようであれば、涼しい場所で充電するなどの対策が必要です。

衝撃や落下のダメージ

わずかな衝撃で壊れるほど、バッテリーはモロくないですが、高所作業中に手から工具を落としてしまったときや工具本体が重いもので落下のときにバッテリーから落ちたときはバッテリー本体にダメージが入る可能性が高いと言えます。

ですが、ダメージを受けていても何となく充電できて、工具が作動すると、そのまま落ちたバッテリーを使ってしまうのではないでしょうか。

外からは判断できないところになりますが、内部にダメージがある状態で工具を取り付け使用すると、ショートや漏電が起きて工具にもダメージを受ける場合もあります。

しかし、実際は工具が動いてしまうと気にすることなく、バッテリーを使ってしまう可能性があるため注意が必要です。

まとめ

工具そのものに防水、防じんがされていると、雑に扱ってもいいように感じますが、実際に水分もホコリも注意が必要です。

定期的に工具本体も、バッテリーもメンテナンスを行い、工具の状態を把握すると工具の性能を落とさずに長く使用できるのではないでしょうか。

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