レシプロソーとは
レシプロソーとは、刃(ブレード)を前後に往復運動することで材料を切断する電動工具です。手鋸で材料を切断するよりも、労力をかけることなく効率的に切断することができます。
メーカーによって名称が異なり「セーバーソー」とカタログ表記されているものがありますが、同じ電動工具を指しています。
替刃(ブレード)を替えることで、木材、金属、プラスチックなど様々な種類の材料を切断することができます。
レシプロソーは細長いボディ形状をしているため、狭い箇所での作業もやりやすいです。
小型のハンディタイプは、片手で作業ができて扱いやすいので一般家庭の庭木の剪定や、粗大ゴミを解体するときに使われる機会が増えています。
レシプロソーの使い方
材料を固定する
切断する材料をクランプや万力などで動かないようにしっかりと固定します。片手で固定する場合は、ハンディタイプのレシプロソーを使用しましょう。
材料をしっかりと固定せずに切断作業を行うと刃(ブレード)が暴れて、固定されていない材料も一緒にぶれてしまうので大変危険です。
材料にベースを当てる
レシプロソーのベースを材料に押し当てながら、切込みを入れていきます。
ベースに材料を押し当てていないと、反動が大きくなり、刃(ブレード)が暴れて破損する場合があります。
切り始めは低ストロークでゆっくりと切込みを入れていき、ある程度の切込みを入れたら材料に合わせたスピードに調整をして切断します。
金属を切断する場合
金属を切断する場合は、刃(ブレード)が焼けて寿命が短くなってしまうので切削油を塗布しながら使用することをオススメします。
レシプロソーはグラインダーで金属を切断するときと違い火花が出ないので、火気厳禁の場所での作業に使用される機会が多いです。
レシプロソーの特徴
電源のタイプ「コード式」「充電式」
レシプロソーの電源には大きく分けて「コード式」と「充電式」の2種類があります。
「コード式」
コード式の製品は、AC100Vのコンセントを電源としています。コード式の場合はバッテリーを気にする必要がないため長時間の作業に向いています。
しかし、電源となるコンセントが作業場所の近くにないと作業できる場所が制限されます。コンセントが近くにない屋外などでは、延長コードを別途用意する必要があります。
充電式よりも切断するパワーがありますが、コードを引っ張りながらの作業になるため煩わしさを感じることがあります。
「充電式」
充電式の製品は、バッテリー(10.8V/14.4V/18V/36V)を電源としています。
充電式の場合は、バッテリーの残量を気にする必要がありますが、持ち運びが便利で場所を気にせずに作業ができます。ただし、コード式の方がストローク幅やパワーがある傾向にあります。
バッテリーが切れると作業が出来なくなるため長時間の作業には不向きです。
ただ、同じメーカーの製品で、同じ容量(10.8V/14.4V/18V/36V)のバッテリーならば互換性があるため流用が可能です。作業中に充電が切れても交換しながら作業ができます。
「コード式」と「充電式」の価格について
レシプロソーに限らないのですが、電動工具は「充電式」のほうが「コード式」に比べて価格が高くなります。そのため、価格面も十分に考慮しておきましょう。
そして、太い材料や硬い金属を切断する場合は、コード式を使用して。
コンセントが近くにない屋外での作業や、開口作業など細かい作業のときはバッテリー式を使用するなど、作業内容によってもコード式か充電式かを選択しましょう。
ハンディタイプ・Dハンドルタイプ
レシプロソーには片手でも扱えるハンディタイプの製品と、両手持ちのDハンドルタイプの製品の2種類があります。
ハンディタイプ
ハンディタイプは軽量で細かな作業をおこなう際に使いやすいです。あまり大きいサイズのものは切れませんが、庭木の剪定や、粗大ゴミの解体作業など一般家庭で使用するときに大変便利です。
小型で軽量なため低価格の製品も多く、手軽に購入できる点もオススメです。
Dハンドルタイプ
Dハンドルタイプの製品は、本体の持ち手部分がD形のハンドルとなっています。両手で持った状態で作業をするため、ハンディタイプと比べて重量があります。
重量がある分、ハンディタイプよりも高出力でパワーがあり、太い木材や金属板なども効率的に切断ができます。
細かな作業には向きませんが、家屋の解体作業など大掛かりな作業をするときは、Dハンドルタイプの製品がオススメです。
ハンディタイプに比べて価格が高くなりますが、ハイパワーで作業効率を向上させることができます。
替刃(レシプロソーブレード)
レシプロソーブレードは、木材、鋼材、ALCなど切断する材料の素材に合わせたものを選択しましょう。
レシプロソーブレードの歯数
レシプロソーブレードは歯数が多いと切断面の仕上がりをキレイにできますが、切断スピードが落ちます。反対に歯数が少ないと切断面が粗くなりますが、切断スピードを上げることができます。
レシプロソーブレードの長さ
各メーカー150㎜~300㎜の長さでレシプロソーブレードをそろえています。
レシプロソーブレードは長い方が大きな材料を切断しやすいのですが、作業中の振動が大きくなり、ブレも大きいため作業がやりづらくなります。
短いブレードの方が振動も小さく、作業がしやすくなります。
レシプロソーブレードの厚み
刃の厚みは切断する材料に合わせて選択しましょう。刃が薄いと切削屑が少なく切断面の仕上がりもキレイにできます。
しかし、厚く硬い材料を切断するときは、ブレードの刃も厚いものが必要です。
レシプロソーのメリット・デメリット
レシプロソーのメリットとデメリットをいくつか書いておきます。基本的にレシプロソーは分解や解体作業に向いているため、精密作業には適していません。
- ブレードを交換することで切断できる材料の種類が多い。
- 金属を切断するときに火花が出にくい。
- ブレードの長さを入れ替えることで細い物から太い物まで切断可能。
- 直線、曲線と自由に切れるが精度は低い。
- 厚肉の材料を切断すると時間がかかり、刃がなまりやすい。
- 長時間の作業をすると刃が焼けやすい。
レシプロソーの注意点
レシプロソーでの切断作業のときは、切削屑が発生するので保護メガネや防塵マスクを着用することをオススメします。
レシプロソーブレードを交換する際は、電源につながっていないことを確認してから交換してください。刃に手を振れている状態で本体が動作すると大変危険です。
この他にも製品に付属している取扱説明書の注意事項を守りましょう。大変便利な電動工具ですが、大きな事故やケガにもつながる危険性も意識してください。
まとめ
レシプロソーは、木材や金属など様々な材料を効率よく切断するときに、非常に便利な電動工具です。
プロの職人が仕事で使うだけではなく、庭木の剪定や家具の解体作業などで一般家庭でも使用する方が増えています。
片手でも扱える軽量タイプの製品から、ハイパワーの両手持ちの製品までありますので、使用用途に合わせたレシプロソーを選択しましょう。
今回の記事がレシプロソーを選ぶ参考になれば幸いです。