*今回の悩み人*
『これからDIYを始めようと思うのですが、何かおすすめの道具というか、持っておくと良い物ってありますか?なんかDIYって電動のドリルとかで穴を開けたりネジとかを締めてるイメージですわ。』
今回の記事を読むとこんなことが分かります。
- 電気ドリルとは?基本的な基礎知識あれこれ
- 電気ドリルの具体的な使用法の解説・注意点など
今回のお悩み人は、このコロナ禍新たな趣味としてDIYにチャレンジするので電動工具を導入したいようです。
電気ドリルは穴あけに特化しており、いろんなところで活躍できる基本の電動工具なので、特に初心者は是非とも使い方を覚えて作業レベルを上げたい所です。
今回は電気ドリルについての基礎知識と、具体的な使用方法や注意点を詳しく解説していきます。
そもそも電気ドリルって何ですか?
??『そういえばさっきから電気ドリルって言ってるけど、電動ドリルが一般的な呼び方だよね?もしかして別物なの?インパクトドリルとかもあって混乱するから、そこらへんも詳しく教えて!』
ドリルには様々な名称のものが存在します。
人によってはインパクトを電気ドリルという方もいれば、ドリルドライバーのことを電動ドリルだという人も居ますので、特に初心者の方は戸惑うと思います。
しかし、どのドリルも通常は『対象物に穴を開けること』を目的としております。
また、『電気ドリル』も『電動ドリル』も基本的には同じ物であり、そこから得意な分野に分かれた各種ドリルに区別されます。
この記事では各ドリルの違いや得意分野などもご紹介していこうと思いますので参考になれば幸いです。
電気ドリルの特徴を解説!
ここでは電気ドリルの主な特徴をご紹介していきます。どんな工具なのかを理解する事で、様々な加工も簡単にこなせるようになります。
特徴① DIYには無くてはならない必須の電動工具
電気ドリルは建築現場をはじめ、木材や金属を加工するあらゆる場所で活躍している電動工具です。
また、ドリルを回転させるシンプルな構造なので非常に扱いやすくプロ職人をはじめDIY初心者にも人気が高い工具です。
??『確かに、現場仕事といえばドリルのイメージがあるよね。いろんな人や場所で使われているって事は、とても便利な電動工具なんだろうね。具体的にどんな事が出来るのかな。』
電気ドリルがあれば色々な素材への穴あけ作業ができ、ひとまず一台持っておけば間違いなく作業効率が上がります。
木材や金属への穴あけ加工を得意とした穴あけ専門の電動工具なのですが、軸のついた砥石やバフ等に交換することで研磨作業にもある程度対応できます。
特徴② 初心者でも簡単に操作できる
丸ノコやトリマーなどの電動工具は一定の知識や経験が不足するとあっという間に大きな事故や怪我をします。
それらに比べ電気ドリルは非常に扱いやすく、怪我のリスクも比較的少ない為初心者が最初に触れる電動工具としては最適であるといえます。
とは言っても、取扱方法を誤れば当然怪我や事故につながるので油断は禁物です。
使用方法の詳しい解説は次の項で詳しく説明していきます。
特徴③ インパクトやドリルドライバーって?それぞれの違いとは
??『電気ドリルは穴あけに特化した電動工具って事は分かったんだけど、他にもインパクト?とかドリルドライバーの違いが分からなくて混乱しそう…違いをわかりやすく説明して欲しいな。』
似たような電動工具にインパクトドライバーや電動ドライバードリルなどがあります。
基本的にはどの工具も穴を開ける事が得意なのですが、出来る事と出来ない事があるので作業前にしっかりと確認しましょう。
名称 | 穴あけ | ネジ締め | ボルト締め |
---|---|---|---|
電気ドリル | ◎ | × | × |
ドライバードリル | ◯ | ◯ | × |
インパクト | △(※1) | ◯ | ◯ |
??『なるほど、それぞれに得意な作業と苦手分野があるんだね。…でもこの表だけ見ればインパクトが優秀というか、他の電動工具の必要性があんまり感じられないような…』
(※1)ここがポイント
インパクトドライバーは回転動作に打撃振動を加える事でパワフルな穴あけを可能にした電動工具です。
インパクトドライバーはスイッチトリガーをごくわずか引き絞ることで極低速回転状態になり、この状態では打撃振動が発生しません。
なので他の電気ドリル同様に穴あけも出来ますが、とても繊細な指使いが要求されるため、初心者にはあまりオススメ出来ません。
(中級者以上になった場合、インパクトが最高峰の相棒となります。)
具体的な使い方解説!
ここからは電気ドリルの使い方を解説していきたいと思います。
一般的な電動工具の中では扱いやすい部類なので、自由自在に扱えるようになりましょう。
その1 ハンドルグリップを取り付ける(付属しているタイプのみ)
① トリガーを構えた状態の本体左側に取り付け穴があるので、ギアーハウジングのネジ穴にしっかりと固定します。
(しっかりと固定できていないと怪我の原因になるので注意)
電気ドリルは様々な種類が存在しており、ハンドルグリップと呼ばれる補助具が付属しているタイプこそ一般的な電気ドリルと呼ぶ人も。
ハンドルグリップを装着することでドリルを両手でしっかり支えることができるので、より力強く、正確に穴あけをすることが可能です。
その2 ドリルチャックを緩めてドリルを装着する
②本体にはドリルチャックの穴が3つ空いているので、ここに付属のドリルチャックキーを差し込み、キーを左に回すことでチャックの爪が開き刃が抜き差しできるようになります。
※必ず電源プラグやコンセントを抜いた状態で作業して下さい。
③任意のサイズのドリル刃を差し込み、チャックにキーを差し込んで右に回して締めてください。
この際、1箇所だけではなく3箇所の穴を均等に締め上げることでしっかりとドリル刃を固定することができます。
その3 穴をあけたい所にセンタポンチ等で目印をつける
いきなり穴をあけたい場所に刃を当てて切削していくのはあまり有効的ではありません。ドリル刃が滑って思わぬ事故に繋がります。
ここではセンタポンチ等であらかじめ凹み印をつけておくことで、ドリルの回転初めの刃滑りやポイントずれを防ぐことが出来ます。
④目印をつけたらドリル刃に切削油(マシンオイル等)をつけてから作業を始めます。
※必要以上に力を入れて作業をしないようにしましょう。無理に押し付けて動作させるとドリルが折れたり本体の寿命が短くなります。
番外編:ドリルスタンドを使って穴あけ精度アップ??
電気ドリルの作業精度をより高めたい時には『ドリルスタンド』を使用します。
ドリルスタンドはお手持ちのドリルを『ボール盤』のように扱う事が可能になる便利な補助具です。
電気ドリル単体の場合、両手で持って使用しても正確さの面ではボール盤に劣ってしまいますが、ドリルスタンドを活用する事でボール盤導入よりも低価格で精密な穴あけができるようになります。
※完璧な精度を求められる作業には、やはり専用工具であるボール盤を使用することをオススメします。
使用上の注意点まとめ
電気ドリルは初心者でも簡単に扱う事ができますが、やはり電動工具なので取り扱い方法を間違えると大きな事故に繋がります。
ここでは『厚生労働省職場安全ガイド-ヒヤリハット-』等を参考に事例と予防法をまとめてみました。
衣服や手袋が回転しているドリルに巻き込まれた
ただ穴を開けるだけの工具といえば単純そうに聞こえますが、ダボっとした衣服の袖や軍手などが回転しているドリル部に巻き込まれ大怪我をした事例があります。
予防策としては手袋を使用しない、ダボついた衣服は着用しない、使用箇所に手を近づけない事が重要です。
連続使用で熱くなったドリル部に接触し火傷をした
ドリルというのは連続した高速摩擦からなる切削作業なので、連続で動かし続けていると先端の刃が熱せられた金属のような状態になります。
負傷した人は口を揃えて『まさかドリルで火傷するなんて』と言っていたようです。
予防法としては、連続使用しない、そもそも刃部が身体に触れないような配置や使用方法を普段から心掛ける事です。
床下配線をドリルで傷つけて感電した
この件に関しては、作業者はお亡くなりになりました。
この作業者はシロアリ駆除のために、木造住宅の床下に薬剤注入用の穴を開けようとした際、100V用の床下配線をドリルで傷つけてしまい、電気ドリルに漏電、そのまま帰らぬ人になりました。(当時、ブレーカー電源が入りっぱなしだった)
まさか電気ドリルでと思いがちですが、どんな工具でも使用方法を誤ると最悪の結果が訪れるリスクがあるので油断せず使用しましょう。
事故リスクを最小限に抑えるコツ
どの電動工具にも言える事ですが、しっかりと対策を講じても作業中はイレギュラーなトラブルが起きるものです。
ここでは事故が起きるリスクを少しでも減らすためのコツなどをご紹介します。
①電動工具使用の際に、工具に潜む危険をしっかりと理解し、特に初めて使用するときは細心の注意を。
どの電動工具も100パーセント安全なものは無く、ナイフなどと同様に使用中は常に危険が潜んでいます。
自身の習熟度や経験の度合い等をしっかりと把握して無理のない範囲での作業を心がけましょう。
②分からないことはしっかり専門家や有識者、経験者に聞いたり講習会に参加するなど、不安がない状態での工具使用を心掛ける。
知らないまま、分からないままの状態で作業した際に大きな事故が発生する傾向があります。
作業に不安がある場合は販売店のアドバイザーやメーカーなどにしっかりと質問して不安を解消してから作業をしましょう。
また、社団法人DIY協会や最寄りのホームセンター等で定期的に電動工具講習会を開催していますので、そちらに参加して知識を得るのもオススメです。
③用途が違う作業には絶対に使用せず、刃などの交換材も機器に適した物を使用する。
用途に適していない扱い方や、装着できない工具を無理矢理つけて作業すると高確率で、大事故を引き起こします。
ディスクグラインダーに丸のこ刃を取り付けた結果、工具が大きくブレて制御不能となり、指を切断した事例も多く報告されているので絶対やめましょう。
④各電動工具の取扱説明書に記載されている適切な保護具を装着して下さい。特に服装はダボつかせない、また軍手は使用しない事。
メーカーが取扱説明書に記載した保護具は必ず装着し、服の袖なども身体にフィットするものを選びましょう。
手袋に関しては軍手など繊維質のモノや、ダボつく形状のモノの使用は電動工具に巻き込まれるリスクが高いので避けてください。
まとめ
今回は電気ドリルの詳しい特徴や使用方法、注意点などを解説していきました。
あらゆる現場や材料の加工を必要とする場所では電気ドリルが欠かせない存在であり、これがあると作業効率が劇的に向上する事が分かりました。
また、穴あけだけでなくサビ落としや研磨作業もできたり、ドリルスタンドを併用することである程度の精密作業もこなせるので、ぜひとも使い方をマスターしたい電動工具です。
初心者でもしっかりと使用方法を覚えれば簡単に扱う事ができますので、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。