ノックアウトパンチは、油圧を使って鉄板に穴を開ける道具です。主に電気工事の現場でよく用いられています。
しかし、プロの現場だけでなくDIYでも活用することができます。この記事では、ノックアウトパンチの活用法をまとめていきます。
主な活用法:分電盤や配電盤の穴あけ
大きなビルや屋外にある分電盤・配電盤は、たいてい金属のボックスに入っています。新たに配線を引き込む場合、既存の穴に入り切らなければボックスに新しい穴を開けなければなりません。
鉄板に穴を開ける方法は様々。メジャーなのは、ホールソーで穴を開ける方法です。しかし、分電盤や配電盤でホールソーを使うには様々なリスクが伴います。
まず、ホールソーで穴を空けると大量の切り粉が飛び散ります。たくさんの電線の中に粉が飛ぶと掃除が困難です。取り切れなかった鉄粉が、ショートの原因になる危険もあります。
ホールソーの刃で配線を傷つける危険もあります。刃が少しでも電線に触れれば電線が傷つき、修復には大きな手間がかかります。もちろん、感電などの大きなトラブルになればもっと悲惨です。
ノックアウトパンチを使えば、上記のようなリスクを回避できます。
小さな仮穴を開けるときは少量の切り粉が発生しますが、その後は切り粉が発生しません。これは、油圧で刃を押し付けて穴を開けるためです。
さらに、刃の周りはすっぽりと覆って穴を開ける仕組みになっています。刃先が電線に触れてしまう危険も全くありません。
ノックアウトパンチはDIYでも使える
主に電気工事の現場で使用されるノックアウトパンチですが、DIYにも活用することができます。
とりわけ庭やエクステリアなど、大規模なDIYの場合は強度が必要な場合があります。材木や合板だけでは頼りない場合に、鉄板を使えば強度を簡単に増すことができます。
ノックアウトパンチは現場用の工具ということもあり、プロユースのものはかなり高額です。10万円を超えるものも珍しくありません。この高価さが、DIYに導入を見送ってしまう主な理由なのかもしれません。
しかし、手動で動かせる安価なノックアウトパンチも存在します。Amazonなどの通販サイトで、10,000円前後から手に入ります。
通常の工具よりは少し高く感じるもしれませんが、今後も大規模なDIYを行っていくなら購入する価値は十分にあると言えます。
ただし、ノックアウトパンチだけでは穴は開けられません。「下穴」と呼ばれる小さな穴を開けなければいけないからです。ノックアウトパンチと一緒に、金属対応のドリルビットを併せて用意しておきましょう。
まとめ
ノックアウトパンチは、主に電気工事の現場で活用されています。配電盤や分電盤などに穴を開ける際、周りのものを汚したり傷つけたりすることなく穴を開けられます。
しかし、ノックアウトパンチはDIYに活用することもできます。鉄板に穴を開け、簡単に補強することができます。
安価なものも通販サイトで入手できるので、今後も活用予定があるなら揃えておいて損はありません。