今回の悩み人
『色々な工具があるけど、とにかくこれからの時代はユニバーサルホルソーを持っておけば間違いないって親方が言ってたな。これからの時代と何か関係あるのかな、その理由って一体どうしてなんだろう…』
今回の記事を読むとこんな事が分かります。
- ユニバーサルホルソーを持っておくべき理由
- 今後の現場における流行やニーズとは
親方さんは数ある電動工具の中でユニバーサルホルソーは持っておいた方が良いと、あえてピンポイントで選びました。
その理由が分からず困惑する今回の悩み人さんの疑問を、現在の現場ニーズと水銀による照明事情を照らし合わせて解説していきたいと思います。
まずはじめに、知らない方に向けてユニバーサルホルソーの簡単な解説をしていきたいと思います。
ユニバーサルホルソーってなに?
ユニバーサルホルソーとはPanasonicが開発した商品で、ダウンライトと呼ばれる埋込型LED照明を設置する際の天井開口に特化した電動工具です。
穴を開けるだけなら他の工具でも良いのですが、ダウンライトは小さい照明を複数設置する事が多いうえに開口が難しいとされる壁のキワに隣接して設置する事が多いため専用工具が便利なのです。
ちなみにこの工具は電動ドリルドライバーの先端に取り付けて使用するアタッチメント系の工具なので、単体では使用できません。
水銀問題とLEDにまつわる照明事情
電力の省エネルギー化が進む昨今では、照明のLED化がスタンダードとなり新築はもちろん既存の建物も水銀灯や蛍光灯をLEDに変更する流れが大きくなっております。
2021年現在、水銀に関する水俣条約により水銀を含むランプの製造や輸出入が禁止となり国内大手メーカーは新規の水銀製品(蛍光灯含む)の製造を終了しております。
照明に関する条約の内容については下記の通りです。
- 一般照明用の高圧水銀灯の製造・輸出・輸入を2021年以降禁止
- メタルハライドランプ・高圧ナトリウムランプは規制対象外
- 紫外線ランプなど一般照明用以外の特殊用途用ランプは規制対象外
- 蛍光灯は水銀封入量を規制(5~10㎎)
※ユニバーサルホルソーの販売元であるPanasonicは蛍光灯照明器具の生産を2019年3月末に生産終了したとのことです。
??『蛍光灯にも水銀が使われているなんて全く知らなかった…でも全ての蛍光灯や照明をLEDに変更するとなると、アナログテレビから地デジに移行した時みたいに混乱が起きたりしないか心配ね。』
LED照明導入はメリットしかない
実は蛍光灯というのは白熱灯に比べると非常に省エネな照明なのです。
有名大学の調査によると存在する全ての蛍光灯を排除してLEDにしてもエネルギー効率という点においては変化が少ないという意見もあります。
そもそも蛍光灯がまだ使えるしLEDに移行する必要が無いと感じている方も多いでしょう。
しかし、従来の照明器具をLEDに変更することでたくさんのメリットがあるので変更しない手はありません。ここからはLEDの大きな特徴をご紹介します。
??『あのさぁ、さっきからLEDの話ばっかりだけど、俺は親方がどうしてユニバーサルホルソーを持っておけって言ったのかが知りたいんだけど…』
その理由はLEDのメリットを知ることでご理解できると思います。順を追ってご説明しますので焦らずにお聞きください。
LEDの特徴とメリット
まずはメリットを一覧にしてみましたのでこちらをご覧ください。
電球の寿命がとても長い
(※白熱電球の約40倍、蛍光灯の約4倍、ハロゲンランプの約13倍、水銀灯の約4倍)
水銀・鉛などの金属を使用していない
(高圧水銀ランプや蛍光灯のように水銀を不使用のため環境に優しい。従来の照明器具はゴミ処理に手間がかかり環境汚染にも繋がっている。)
交換の手間が少ない
(※高所で大きな効果あり。道路における信号機の電球は70Wの電球だが12W LEDに変更することで省エネと視認性アップ。)
一部の有害な紫外線・赤外線の放出が少ない
(生鮮食品や重要文化財は紫外線や赤外線によって劣化が進むがLEDライトはそれらを保護することに有効。虫も紫外線を好んで寄ってくる習性があり、ほとんど寄ってこなくなる。)
発熱量が少ない
(※電球が熱をほとんど持たない事に加え明るさも減りにくいので、エアコンなど空調の利用が抑えられ結果として電気代が抑えられる。)
上記以外にもたくさんのメリットがありますが、主に生活面で身近に感じられるものをご紹介しました。
??『分かったぞ!親方が言いたかった事ってもしかして…俺はLEDが大好きなLEDオタクだ!って事なのか!』(全く違います…)
結論:親方が伝えたかった事の本質とは?
つまり親方が言いたかったことをまとめるとこんな感じです。
- 今後ますます増えるLED設置のニーズにしっかり対応出来るよう今からユニバーサルホルソーを使えるようにしておけ。
- ダウンライトはとにかく細かい作業の繰り返し。専用工具を使うことで身体的に楽になるから持っておけ。
水俣条約が採択された今、蛍光灯や水銀灯が撤廃していくのは間違いありません。現に世界各地の電子メーカーが製造を中止しておりLED完全以降は時間の問題です。
となれば、早いうちから専用工具であるユニバーサルホルソーの知識と使い方を熟知し備えておく事で他の業者との差別化、時代の流行などのニーズに柔軟に対応できる事でしょう。
まとめ
今回はユニバーサルホルソーを持っておくべき理由をご紹介しました。
ダウンライト設置における天井開口は、病院や大型商業施設などの現場では1日に数百個の穴を開けることになり手作業で行うことはとても厳しいものです。
ユニバーサルホルソーは電動ドリルドライバーがあれば簡単に使用できます。
これを使えば1つの穴につき数秒で開口ができますし、用途は違いますが別売のバイメタルホルソーがあれば軽金属の加工も可能となるので今後のLED需要に備えて導入を検討してみてはいかがでしょうか。