ナッターって何?使い方と特徴を解説

ナッターって何?使い方と特徴を解説

*今回の悩み人*
『ナッターという工具をご存知でしょうか。ナットを扱う作業では大変便利で大活躍するらしいのですが、使い方とか知ってたら詳しく教えて欲しいです。』

今回の記事を読むとこんなことが分かります。

  • ナッターとは?基本的な基礎知識あれこれ
  • ナッターの具体的な使用法の解説

締結作業において、ねじ込む方はボルト(雄ネジ)、受ける方をナット(雌ネジ)と呼びます。

これらは日常生活において家具や家電製品など、あらゆる所に数多く使用されています。

ネジの効力を最大限発揮させたい場合、最低でも3ミリの長さ(厚さ)がないと正しく機能しないとされております。

では3ミリに満たない板材に締め付けたいとき、どうすれば良いのでしょうか。

今回はネジ山の作成に便利なナッターについての基礎知識と、具体的な使用方法を詳しく解説していきます。

そもそもナッターって何ですか?

ロブテックス(エビ) ハンドナッターツールキッド HND105
引用:Amazon

??『今回はナッターの解説ですね!…ところでナッターとはどんな工具なのかな。〇〇カッターとかは、なんとなく切るんだなーって連想できるけど今回は全く予想できないっス…』

一般的な日常生活を送る上でほとんど聞きなれない工具が登場しましたが、言葉を少し分解してみると気付く点があるかも知れません。

つまりナッターとは、『ナット』+『ter』から構成された名称です。(ナットを取り付ける道具の意)

冒頭でもお伝えしましたが、ネジの締め付けパワーを最大限に発揮させるには3山(3ミリ)の長さが必要です。

しかし、ネジを取り付ける材料の全てが3ミリ以上の厚さかと言えばそんな事はありません。

当然薄材もあり、且つキッチリとネジを用いて締め付けたい箇所だってあります。締めたいけど長さが足りない、こんな時どうすれば…。

ナッターで薄材にもしっかりネジ山を装着!

薄材にネジ山を作りたい時はナッターの出番です。

ナッターは専用のナットを使用して薄い木材や支柱にネジ穴を作り出す事が出来るので、3ミリ以下の材料にもしっかりとネジ固定をすることが出来ます。

ここがポイント!普通のナットと専用ナットの違いとは??
  • 通常のナットはボルトを一方的にねじ込んで締めたり、ナットをスパナ等で固定しながら締め上げます。
  • 専用ナットはナットを専用工具であるナッターで押しつぶし圧着固定をします。

??『あれ?これってレザークラフトや手芸で使われるカシメ作業にとっても似てるね。材料に穴を開けて、専用のナットを差し込んでかしめる事で薄い板材にもしっかりとしたネジ穴が出来るって事ね!』

ナッターの特徴を解説!

ナッターの特徴を考えるビジネスマンの男性(おもちゃ)

ここではナッターの主な特徴をご紹介していきます。どんな工具なのかを理解する事で、難しい加工も簡単にこなせるようになります。

特徴① M4〜M6くらいのアルミナットをかしめる事が可能

一般的なナッターを使用する場合はM4、M5、M6までのナットをかしめる事が出来ます。

ちなみに、ナッターで使用するナットはブラインドナットと呼ばれる専用タイプなので、一般的なボルト締めに使用するナットとは別物だという点に注意してください。

他にもステンレスやスチールのナットが販売されておりますが、市販のハンドナッターでかしめる事が出来ないので注意してください。(後述の専用ナッター等でのみ使用可能)

特徴② 用途や素材に応じた数種類のナッターがある

市販の一般的なナッターではアルミ素材のナットしか使用する事が出来ませんが、素材に応じた専用ナッターがあれば難なく扱うことが出来ます。

名称主な用途と特徴
ハンドナッターナッターを指す一般的な工具でM4〜M6までのアルミナットをかしめる事ができる。
本体も安価なので気軽に導入できるがリベッターとの買い間違いに注意。
リベットナッターリベッターとナッターの両方の機能が使える便利な工具。
価格は4,000円ほどで購入でき、ヘッド部分が回転するので取り付けが難しい箇所の作業にも適している。
また握り部分の場所も変更可能。
両手式ハンドナッターハンドルと呼ばれる握り部分を両手で持つ事で、通常のナッターではかしめられないナットも扱う事が出来る。(M4〜M10まで対応可)
長いハンドル部は折り畳めるのでコンパクトに収納できる。
電気ナッタースイッチトリガーを引くだけで簡単にナットをかしめる事が出来る。
かしめる作業を多くこなす必要がある方は、身体の負担も少ないこのタイプがおすすめ。
※国内メーカーのロブテックス製は高性能ですが、10万円以上することを覚えておきましょう。
エアーナッターエアーコンプレッサー等があればすぐに使用できるエアーツール。
こちらもトリガーを引くだけで簡単にかしめる事が出来るので、自動車板金やスチール家具作成など、幅広い用途に対応可能。
※高価な工具なので、しっかりと使用目的を明確化してから導入しましょう。
ちょっとナッター(工具不要ナット)ナッターを使用してかしめ作業をしたいけど、工具を購入するほどでも無い…そんな時に活躍するナットです。
ナッターを使用しないためある程度の力が必要ですが、お手持ちの六角棒レンチなどがあればすぐに使用できます。
M4〜6までのサイズ展開があり、それぞれ6個入り1,000円ほどで販売中。

具体的な使い方解説!


ここからはナッターの使い方を解説していきたいと思います。

ナッターの種類はいろいろありますが、今回は一般的なハンドナッターを例にしてご紹介します。

その1 ナット用の下穴を開ける

まずは何ミリのナットを打ち込むかを決め、そのサイズに応じた下穴を開けていきます。

仮にM5ナットを打ち込む場合、7.0〜7.2のドリルで下穴を開けていきます。(※ナッター単体では作業を完遂する事ができないので電動ドリル等を用意しましょう。)

 ネジサイズ 適合下穴径(m/m)
 M4 6.0〜6.2
 M5 7.0〜7.2
 M6 9.0〜9.2

下穴径が小さいとナットが通らなかったり、逆に大きすぎてもガタつきやナットが抜けるので、上の表を参考にして適切な下穴を開けましょう。

その2 ノーズピースとマンドレルを交換する

今回はM5ナットを打ち込むので、ナッター本体のノーズピースとマンドレルをM5用サイズのものに交換します。

どちらも小さなパーツなので無くしやすい上に、買い直すと地味な出費となってしまうので交換の際は注意が必要です。

本体のロックナットを緩めノーズピースは左回りに、マンドレルは右回りに回すことで緩める事ができます。

その3 各所の緩みがないかしっかり確認する

サイズに応じたノーズピースとマンドレルに交換できたらいよいよカシメ…の前に緩みがないかしっかりと確認します。

特にマンドレルは緩みがあると簡単に折れてしまうので、可能であれば有名メーカー品の使用を推奨します。(エビ、トラスコ等)

安物の場合、緩みなくしっかりと固定していても数回使用しただけで折れたという報告が相次いでいます。

大手メーカーのマンドレルは1,300円ほどで購入できるので、出来る限りこちらを用意しましょう。

その4 ナットを差し込みハンドルを引き込む

ナットを本体に装着し、材料の下穴に差し込んでいきます。

装着したナットの出っ張り部(ツバ)がしっかりと材料に当たっていることを確認出来たら『ゆっくりと』ナッターのハンドルを引き込んでいきます。

※ここでよくやりがちなのが、いきなり全力で素早くハンドルを握ってしまう事です。

この方法だと間違いなくマンドレルが折れ、ナットやネジ山も潰れてしまいます。

一定の箇所までハンドルを引き込んでいくと、負荷が掛かり動きが止まる場所がありますので、そこに到達してから力を込めて握る方法がオススメです。

ナットがしっかりと装着できたことを確認し、任意のボルトがしっかりと挿入できるか確認して作業完了です。

番外編:リベッターとの違いって?

ナッターに似ている工具にリベッターというものがありますが、一体何が違うのでしょうか?

形状はほとんど一緒なので間違えて購入してしまう方がたまにいらっしゃいますが、リベッターはブラインドリベットと呼ばれる部品を用いて板同士を固定する事を目的とします。

また、リベッターで固定したものは簡単には外せない特徴があるのでナッターと使い分ける事で作業効率化を目指しましょう。

リベットは板同士の固定ナットは薄材にネジ穴を作る、このポイントをしっかり押さえておきましょう。

まとめ

今回はナッターについての基本的な知識と具体的な使用方法について詳しくご紹介しました。

金属加工において、ネジを使用した締結作業は基本の作業になりますので、ナッターの使用方法を覚えておくと色々な作業に対応できるようになります。

ハンドナッター自体は3,000〜6,000円ほどで購入でき、専用ナットは10個入りパックが400円で用意できるので、高価な電動工具に比べると導入しやすいでしょう。

難易度の高い溶接をするにはちょっと勇気が…そんな時はナッターを活用して金属加工を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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