*今回の悩み人*
『丸ノコを使おうとしたらまだ早い、危ないからダメって言われたんだ。その代わり卓上丸のこなら使っても良いって言われたよ!でも卓上丸のこも危ないのかな?使用するメリットやデメリットが知りたい!』
今回の記事を読むとこんなことが分かります。
- 卓上丸のこって?知っておきたい基礎知識あれこれ
- 卓上丸のこの具体的なメリット・デメリットの解説
今回のお悩み人さんは丸ノコを使おうとしたところ、まだ習熟度が足りないからと使用を止められたみたいです。
丸ノコは圧倒的な作業効率を誇る一方、取り扱いには相当の知識と経験を必要とする電動工具であり、油断すると大怪我をする危険が潜んでいます。
しかし、丸ノコのデメリットを上手にカバーした『卓上丸のこ』を導入することで、安全に作業を進める事が可能となります。
今回は卓上丸のこについての基礎知識と、具体的なメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
そもそも卓上丸のこって何ですか?
通常の丸のこを卓上、つまり作業台の上に据え置いて使用することによって様々な変化が起きました。この卓上丸のことは一体どんな工具なのでしょうか?
安全性と操作性を大きく向上させた丸ノコ
『丸のこは大きな円盤形の回転刃を高速回転させて材料をカットしていくパワフルな電動工具だよね。その丸のこが据置機として使えるようになったって事は…怪我のリスクが減りそう!』
通常の丸のこがここまで危険な電動工具と言われる理由は『キックバック』のリスクが常に潜んでいるからです。
すると進行方向(切り進む方向)とは真逆に丸ノコが飛び跳ね、使用者の身体を巻き込んで大きな怪我を負わせるとても怖い現象です。
一方の卓上丸のこは、完全にキックバックが起きない訳ではありませんが、本体にしっかりと回転刃が固定されているので、起きたとしても大きな怪我に繋がる事なく作業ができます。
卓上丸のこの特徴って?
ここでは初心者に向けて卓上丸のこの特徴を簡単にご紹介していきます。
そんな事もう知っているから早くメリットやデメリットが知りたい!と言う方は次の項目にスキップして下さいね。
特徴① 丸ノコに比べ安全性能が高く、初心者も扱いやすい
卓上丸のこは、通常の丸ノコに比べ安全性が高い特徴がありますが、その理由の秘密は操作方法の違いにあります。
- 丸のこは作業者が工具を手で持ってカットする
- 卓上丸のこは動きが制限されたアームを垂直に振り下ろしてカットする
加えてキックバックが原因で起きる事故リスクも大幅に減ったため初心者でも扱いやすい電動工具となっております。
特徴② 安定性が高いので手振れの影響を受けにくい
通常の丸ノコを使用しているときの最大の問題点の一つに『手振れの影響を受けやすい』と言う問題点があります。
??『私は使用した事ないけど、親方が丸のこで材料をカットする時、材料を押さえてくれー!ってよく頼まれるんだ。長年のベテランでも手振れ問題が発生しちゃうのは工具の仕様だし仕方ないよね。』
一方の卓上丸のこは、回転刃が据え置いた本体に加え固定されたアームを操作して作業するのでほとんど手振れの影響なく快適に作業することが出来ます。
固定されたアームは精密なカットが可能なのですが、通常の丸ノコに比べ取り回しがあまり良くは無く切断能力は大きく制限されてしまいます。また、本体価格も通常の丸ノコと比べ数万円高くなります。
とはいえどちらも便利であることは違いないので、ご自身の経験値や用途に合わせて最適な工具を選びましょう。
特徴③ 固定タイプとスライドタイプが存在する
卓上丸のこには大きく分けて2種類のタイプが存在し、それぞれの特徴を理解することで効率的に作業を進めることが出来ます。
下記に2つの違いをまとめてみました。
名称 | 主な用途と特徴 |
---|---|
固定タイプ | 動きが制限された回転刃、固定されたアームのおかげで正確なカットが可能。 100Vが主流だが、最近では充電式のタイプが多く使われる。 |
スライドタイプ | 卓上丸のこにスライド機構が追加されたもの。(スラマルと呼ばれる) アームを下ろした後、前後にスライドさせて切断ができる為、 フローリングの床材などの横長な材料を正確にカットできる。 固定タイプより2〜3万円高い。 |
??『初心者が今から丸ノコを購入するなら、卓上丸のこを選んでおけば間違いないね!それで作業に慣れたら通常の丸ノコを導入する流れがオススメ!』
具体的なメリット・デメリットを解説!
ここからは卓上丸のこのメリットデメリットを解説していきたいと思います。
まずは一覧にするとこんな感じです。
- 効率良く、安全に作業できる
- キックバックを気にせず作業に集中できる
- 丸のこより精密なカットができる
- 大量に出る切削粉をダストパックに貯められる
- 丸ノコに比べ、取り回しはあまり良くない
- 安全性が高い反面、加工の自由度が低い
◯メリット1 効率良く安全に作業できる
建築現場やDIYに共通する、重要な項目とは何でしょうか?
楽しくこなす事?いや、作業のスピードが命だ!…と、このように色々な意見がありますが、どちらも『安全』なくして絶対に成り立たないと言う事実があります。
繰り返しお伝えしますが、キックバックでの事故が起きないこと、動きが制限されたアームのおかげで間違いなく怪我や事故のリスクが減るので、結果として作業効率が上がります。
安全を徹底的に遵守することで、効率や楽しさが後から付いてきます。
◯メリット2 キックバックを気にせず作業に集中できる
卓上丸のこはキックバックが起きない事が一番のメリットとも言えるでしょう。
そもそもどうしてキックバックが起きるのかというと、原因がいくつかあります。
- 原因1 丸ノコの刃に(後ろ側の刃)材が触れる時
- 原因2 材を切り落とした時に刃が挟まれた時
- 原因3 曲がった材やアーチ状の物を切った時
これらのいずれかを行なった場合にキックバックが起きると言われていますが、卓上丸のこはしっかりとしたベースに加え固定されたアームを動かして作業をするので、万が一起きても被害はほとんどないでしょう。
卓上丸のこでは原因1のパターンが最も多く起こり得ます。
対策としては『刃の回転数が安定してから切り進める』ことを心がければキックバックを防ぐことが出来ます。
◯メリット3 丸のこより精密なカットができる
どっしりと構えた本体に加え、可動域が制限されたアームを搭載している卓上丸のこですが、刃が固定、制限されたおかげで手動よりも正確に材料を切る事ができます。
??『安全に、しかも正確にカットできるのは圧倒的なメリットだね!手動だとどうしてもブレてしまうし、最近はプロの職人さんも卓上丸のこを愛用してるんだって。』
またレーザーマーカーを搭載したタイプもあり、レーザーが切断箇所に照射されることでとても分かりやすく切れるため便利です。
◯メリット4 大量に出る切削粉をダストパックに貯められる
卓上丸のこも丸ノコ同様、大量の切削粉が出てしまいます。作業後に飛び散った削りカスを集めるのはとても苦労しますが、本体に付属したダストパックに集塵されるのでご安心ください。
??『すごいね、やるじゃんダストパック!これならどこで作業しても掃除の手間が省けるし、作業後に掃除するのは疲れるから本当に嬉しいー!』
しかしダストパックも万能ではありません。
実際に作業をして吸えたのは発生した切削粉の2/3程度だというデータがありますので、パックだけに頼りきらず、こまめに作業周りを掃除することをオススメします。
×デメリット1 丸ノコに比べ、取り回しはあまり良くない
ここまでたくさんのメリットを挙げてきましたが、当然デメリットもあります。
卓上丸のこは据え置いて使用する工具のため、当然ですが取り回しの面では通常の丸ノコに劣ります。
ですが、その弱点を補って余りある安全性が一番の売りであり、マルチな面での競い合いは始めからしておりません。
あらゆる作業に適応したい場合は丸ノコを使用するなどの使い分けが重要です。
×デメリット2 安全性が高い反面、加工の自由度が低い
これも通常の丸ノコと比較して、安全性に特化した結果、加工の自由度が低くなった傾向が見受けられます。
確かに、刃とアーム固定されており一定以上の方向には動かないので、こなせる作業が大きく制限されているのは大きなデメリットです。
ですが、これが卓上丸のこのデメリットでありメリットでもありますので自由度が低いことを工具のせいにしてはいけません。
どんな電動工具も用途に応じた物を使用する事で最高のパフォーマンスを発揮するので、常に使用者の選択眼が試されます。
まとめ
今回は卓上丸のこについての簡単な解説、そして具体的なメリットとデメリットをご紹介しました。
通常の丸ノコに関連する事故や労災は、令和に入った現在で90件近く発生しており、いかに取扱が難しい工具かを思い知らされます。(取り扱いに不安を感じる人に向けた講習会も開催されています。)
卓上丸のこは安全性は高いけど取り回しが悪いとか、出来る事が限られるなど不満を漏らす方もいます。
しかし最近では、安全性を重視した結果、むしろ卓上丸のこが多く使用されている傾向がありプロの職人さんも愛用しているほどです。
作業効率も大切ですが、まずは怪我をしないことが何よりも重要ですので、この機会に安全性に特化した卓上丸のこの導入を検討してみてはいかがでしょうか。