農作業であったり、田舎に移住すると必ず出て来る問題が草刈りです。
草刈りをする為にはエンジン刈払機を使うと便利ですが、数多くのメーカーから、様々なスペックの製品が販売されています。
しかし、始めて購入する人はどれを購入すれば良いか悩む人も多いようです。
そこで今回はエンジン刈払機のメリットとデメリット、それと選び方も見ていきます。是非、最後までご覧ください。
エンジン刈払機のメリットデメリット
エンジン刈払機全体のメリット
エンジンタイプは燃料で稼働する機種です。
- パワーが十分で多少の障害物では止まってしまうと言う事がない為、スムーズに作業出来る
- 燃料が切れても給油すれば、また動き出すので長時間の作業にも向いている
- 電源や充電池の充電の心配が無い
- 比較的寿命が長い
- 比較的安価である
エンジン刈払機全体のデメリット
- エンジン音がかなり大きい
- 燃料を購入する必要がある
- メンテナンス等に手間がかかる
2サイクル刈払機のメリット
2サイクルエンジンで刃を回す、最もオーソドックスで歴史の長い刈払機です。
- 構造が4サイクルと比較し単純
- 単純な分安価である
- 単純な分修理がしやすい
- 燃料を準備しておけば、広い面積を作業可能
- 4サイクルと比較し軽量である
2サイクル刈払機のデメリット
- 排気ガスが意外と臭い
- 騒音や振動が大きい
- 燃費が悪い
- 燃料の準備が面倒(ガソリンとエンジンオイルを混ぜなければならない等)
- 始動や再始動がなかなかスムーズにいかない
4サイクル刈払機のメリット
4サイクルのエンジンを載せている刈払機です。4サイクルと言うのは自動車と同一の方式で。近年では刈払機でも搭載される事が増えてきました。
- 2サイクルと比較し音が静かで振動も抑えめ
- レギュラーガソリンで動く
- 高燃費である
- 燃料を準備しておけば、広い面積の作業可能
- エンジンの掛かりが良い
- レギュラーガソリンのみで動くので燃料も安価
4サイクル刈払機のデメリット
- 構造が2サイクルと比較し複雑である
- 複雑な分重く、価格も高い
- 複雑な分修理に手間がかかる
エンジン刈払機の選び方
メリット・デメリットが分かったところで、選び方を見ていきましょう。
エンジンの種類で選ぶ
エンジンの種類は2サイクルと4サイクルの2種類です。
そもそもエンジンは、ガソリンを始めとする燃料を、吸入・圧縮・燃焼・排気をして動力を生みますが、この4工程が一つのサイクルになっているエンジンが4サイクルエンジンです。
一つのサイクルの間にピストンが2往復、クランクも2回転します。
また、この4工程のうち2つを同時進行させ2工程にして1回ピストン運動をすれば1つのサイクルを終わらせるエンジンが2サイクルエンジンです
2サイクル
4サイクルと比較するとメリットが多く、部品の数が少ない為、小型や軽量化がしやすく、排気量が同一であれば高出力が得られます。
しかし、低燃費で騒音や振動が大きいデメリットがあります。特に問題視されるのが排気ガス問題です。
以前は自動車は4サイクルでオートバイは2サイクルと言うのが常識でしたが、環境問題が関心を持たれ始め、排ガス規制が厳しくなり2000年頃までには2サイクルのオートバイはほぼ無くなり、近年ではオートバイでも4サイクルが当たり前になっています、
但し、刈払機等の農業用の機械は小型で軽量のエンジンがマストなので、今でも2サイクルが主流です。
2サイクルエンジンは軽量で手軽に扱いやすいのが最大の特徴です。
4サイクル
一方で4サイクルエンジンでも、近年では小型・軽量化が進み、2サイクルと比べ振動が少なく静音タイプ、排気ガスがクリーンで排気臭も少なくなった、4サイクルの特性を活かした刈払機も増えてきました。
特にマキタやホンダと言ったメーカーでは4サイクルの刈払機がラインナップの主力となっています。
4サイクルのエンジンは機構が複雑で部品も多いので価格面で割高な感じがするところは否定できませんが、振動が少なく、静かと言うのは作業者にとっては大変嬉しい事です。
草刈りを本業とするプロの方や林業に従事される方等には、やはり重さがネックとなり4サイクルは普及していませんが、一般の方にはそれ程苦になる重さではありません。
むしろ、振動や騒音が少ない分精神的な疲労度が軽減されるので許容範囲です。
更に、4サイクルの場合、ガソリン燃料なので、2サイクルのように混合ガソリンを入手したり、ガソリンとオイルを調合する必要もありません。
しかも、混合ガソリンはレギュラーガソリンと比較して3~5倍くらいの価格となります。
仮に自分で調合するとしても、オイルの調合の割合はごく僅かですが、それでもFC級、出来る事ならFD級の高品質のオイルを選びたいところです。そうすると1L当たり1,000円位にはなってしまいます。
4サイクルエンジンは燃費が良く、パワーがあるのが最大の特徴です。
ハンドルの形状で選ぶ
ハンドルの形状はU字型の両手ハンドルがオーソドックスと言えます。刃から伸びたシャフトにU字型のハンドルが付いていて、両手でグリップを握り操作します。
平地での作業に向いています。軽くて一番安定性がありますが、体制が固定されますので、適度に休憩が必要になります。
ループハンドルやツーグリップハンドルを採用している機種もあります。メーカーによっては、両手ハンドルのグリップの部分を前に倒したユニバーサルハンドルをラインナップに加えています。
更にエンジン部と回転刃が1本の棒状のシャフトで繋がった背負い式の刈払機もあります。
ループハンドルはシャフトに輪のような形のハンドルが付いています。ハンドルは片手で操作可能なので、取り回しが早いのが特徴です。
また、斜面等でも円滑に使用出来ます。姿勢を固定する必要がありませんので、身体への負担は少ないです。
シャフト自体のグリップを握って使用するのがツーグリップハンドルです。しっかりとグリップを握り使用できるので、細かな動きがしやすいです
斜面等での使用に向いています。細かい作業に威力を発揮しますが、扱いが難しく、腕に掛かる負担も大きい為、短時間の使用にしましょう。
ループハンドルやツーグリップハンドルのメリットは取り回しがしやすいと言う事です。
斜面などでの草刈り作業の場合、平地と比べて刈払機を上下左右に動かす必要がありますが、両手ハンドルと比較してシャフトを持ち上げる事が容易で効率も上がります。
しかし、平地での効率は両手ハンドルの方が上です。
また、常に本体を支えなければならないので、腕や肩への負担が大きくなります。
また、背負い式では、このハンドルの取り回しの良さを一層高めてくれます。
重量感のある刈払機を片方の肩からぶら下げて長時間作業すると。腰痛や肩こりの原因になりますが、背負い式であれば、それも軽減されます。
ここまで読んだ感じだとループハンドルやツーグリップハンドル、背負い式の方が使い勝手が良いと思われるでしょうが、通常の草刈りの用途であれば、両手ハンドルの機種がおすすめです。
ループハンドルやツーグリップハンドルは、ここまで述べたように取り回しは便利ですが、その反面、危険さが増大します。
刈払機は、高速回転している刈刃がむき出しになっており。使い方を誤ると、重大事故に繋がります。
両手ハンドルはその点、左右への動きが、メインで刈っていく方向が一方向であり、棒状のシャフトにより、回転刃が足元から離れるので、周りの人を傷つけたり、自らの足を傷つけると言う事故は起こり難くなっています。
一方、ループハンドルやツーグリップハンドルは周りの人を傷つけてしまったり、背負い式の場合、回転刃が自分に当たりやすくなるなど、危険度が増大します。
依って、通常の草刈りであれば、両手ハンドルの選択がベストです。
排気量で選ぶ
刈払機で一番オーソドックスな機種は、2サイクルの排気量23CC前後の機種です。
一般の方が通常の草刈りに使用するのにパワー、重量、価格等のバランスが手頃な為です。
刈刃には230mm径のチップソーの使用が可能ですが、255mm径やナイロンコードカッターとなると若干非力です。
このグレードと同等の4サイクルとなると25ccとなります。しかし、4サイクルは重量も重くなり、価格も割高になります。
その下の2サイクル20ccは軽量で女性でも扱いやすいと思いますが、非力である事は否定できません。
26cc前後の機種も売れています。このグレードになると255mm径のチップソーや笹刈刃も使用可能ですし、ナイロンコードカッターの使用に関しても全く問題ありません。
因みに230mm径と255mm径ではたった25mmの差ですが、格段に刈払機のスペックがアップします。勿論、エンジンのパワーがアップしている要因も大きいです。
但し、重量は勿論増えます。一般の使用用途であればこのクラスまでにしましょう。これ以上のグレードになると重くてかえって不便になります。
依って、一般の用途で草刈り面積がそれ程広くなく、使用頻度も多くないのであれば「23cc」、草刈り面積が広く、使用頻度が多い場合は26ccがおすすめになります。
但し、ナイロンコードカッターを頻繁に使用したいのであれば26ccクラスの選択が無難です。
まとめ
今回はエンジン刈払機のメリットとデメリット、それと選び方も見て参りました。いかがでしたでしょうか?
本機は非常に便利な機械ですが、使用方法を誤ると重大事故にも繋がりかねません。本記事を参考にしていただいて、自分の使用用途に合った機種をお選び下さい。