主に木工の仕上げや装飾に使います。トリマーと同じように溝掘り加工や面取り加工を行う工具ですが、トリマーよりは強力でサイズも大きくなります。
今回の記事では、本機の特徴や使い方に関して解説します。
ルーターとは
大型の筐体で、パワーや先端ビットも大型で本格的な木工作業に用います。
作業時はボディを両手で持ちながら、リングやブランジと呼ばれる部分で支えながら材料に置き、移動させながら薄切りなどを行います。
ミニルーターとは
一般の方で、ルーターと聞くと、100均で販売されているミニルーターを思い浮かべるのではないでしょうか?
ミニルーターは片手で持って、先端ビットを高速回転させ、対象物を削ったり装飾を施す工具で、樹脂や金属の加工にも用いられます。
アクセサリの仕上げや、フィギュア作りにも使用されています。
ルーターの機能・特徴
小さな家具の装飾であればトリマーで十分にできますが、できることには限界があります。
トリマーで使えるビットの軸径は6mmだけということが大半ですが、本機の場合は6mm径に加えて6.35mm径、8mm径、12mm径、12.7mm径など大きい軸径のものも使用できます。
それに合わせてモーターのパワーもトリマーよりもはるかに高くなっており、太い溝であっても楽に切削できます。
また、トリマーの場合は材料の途中から溝を作り始めるには、ある程度の機会に慣れて技術を得てからでないと難しいですが、本機の場合は、ベースに対して本体を上下に移動させられるスプリング機構があるので溝の切り始めがやりやすいです。
回転速度が調整できる機種が大半で、作業内容に応じた調整が可能です。
基本の使い方
作業する際は、基本的に両手で保持しますので、対象物はクランプなどでしっかり固定します。
対象物の端に本機をベース面が水平になるように乗せ(ビットが対象物に触れないようにしておく)、設定深さまで押し下げたら、ロックレバーでを用い固定します。
ビットが対象物に当たらない場所でスイッチを入れ、ベース面・ガイドを対象物に密着し、切削していきます。
本機は前方に一定速度で送り切削します。右から左に送る場合もあります。
切削範囲の加工が終わったら、ロックレバーを解除し本体を引き上げ、スイッチを切ります。
尚、切削作業時は、切り屑が作業者の方に飛んでこないように必ず安全カバーを取り付けます。
面取り加工
コロ付角面ビット(6mm軸)を使用し、面取り加工を行います。コレットスリーブ(6mm軸用)をチャック孔に差し込んでビットを取り付けます。
ビットの出の調整は通常ストッパポールを使用しますが、本体をひっくり返しベースを押し下げ、スコヤを使用して行うこともあります。
(特にコロ付ビットを使用する場合)任意のビットの出に調整したら、ロックレバーで本体を固定します。
対象物は作業台などにしっかり固定します。対象物を左手に見ながら本機を前進させ面取りしていきます。
溝掘り加工
ストレートガイドによる溝掘り
付属のストレートガイドユニットを組み立てます。ガイドホルダ・微調整ネジのくぼみにストレートガイドをはめ込みましょう。
ツマミネジを締めて、ガイドホルダとストレートガイドを固定します。ストレートガイドと対象物の接地面には当て板を取り付けておきます。
続いて本体ベースにある取り付け穴にストレートガイドを差し込み、ビットとの間隔を調整します。
2カ所の本体のツマミを締め付け、ストレートガイドに固定します。対象物を作業台にしっかりと固定します。
ベースを対象物の端に水平に乗せて、設定した切削深さまで本体を押し下げて、ロックレバーで固定します。
対象物にビットが当たらない場所でスイッチを入れ、ビットの回転が安定したらストレートガイドを対象物に押し当て切削していきます。
本機は対象物に対しストレートガイドが右手になるように前方に送ります。切削が完了したら、ロックレバーを解除し、ビットを引き上げスイッチを切ります。
揃えておくべきビット
溝加工
ストレートビット
溝掘加工の基本的なビットがこのストレートビットです。揃えておくべき溝幅は、3mm、6mm、8mm、10mmあたりです。
アリ溝ビット
蟻溝は、ダブテールジョイントや蟻桟加工時に欠かせないビットとなります。
90°溝ビット
90°溝ビットは読んで字の如く、溝の底が90°のビットです。レールの溝や45°の面取り加工にも利用できます。
丸溝ビット
底の丸い溝やU字の溝を掘ることができるビットです。階段の段板のノンスリップ加工もできます。
面取り加工
ギンナン面
家具の面取りによく使われるのがギンナン面です。面の大きさは、2分~5分あたりで、よく使われるのが3分です。
サジ面
スプーンの底のような形をした面になります。両端の段がないものもあります。サジ面の大きさも、2分~5分あたりで3分がよく使われます。
ヒョウタン面
ヒョウタン面とはギンナン面とサジ面を組み合わせたような形です。
ポーズ面
1/4円のシンプルな面なのですが、最もよく使われています。
45°面
45度の角度の付いた面取りです。ポーズ面に次いでよく使われます。
ルーターの価格相場
ブランドや機能により価格幅があり、1万円から5万円程度まで幅広く販売されています。
同一ブランド内であればほとんどの場合、使用できる先端ビットを取り付けるチャック径により価格設定されています。
チャック径が大きいほど、パワーが必要になるのでモーターも高性能なものが必要となります。
チャック径の価格相場の一例を挙げると8mm以下の場合:1万円~2万円台12mmの場合:2万円~3万円台となっていますので、予算と相談の上購入してください。
もし、予算が許すのであれば、12mmの購入をおすすめします。
まとめ
今回の記事では、本機の特徴や使い方に関して解説して参りました。いかがでしたでしょうか。
電動ルーターはさまざまな用途で活躍してくれる便利な電動工具です。
各種の溝掘りや面取り加工ができ、木材同士を接合するための継手加工や仕口加工なども正確かつ綺麗にでき、ワンランク上の加工ができるようになります。
本機が使いこなせるようになれば1人前の木工家でしょう。