チップソーはDIYや建築現場では欠かせない道具のひとつです。木材の加工や金属の切断、畑や庭の草刈りにも使用されています。
今回は知っているようで知らないチップソーの特徴や選び方のコツ、基本的な使い方をご紹介します。
チップソーって何?
DIY用語として耳にすることの多い「チップソー」。ホームセンターなどでも手に入りやすいため、正しい使い方を理解していないまま使っている方もいるのではないでしょうか。
チップソーには用途に合わせたさまざまな種類があり、適切に使用することで安全に作業することができます。特徴をしっかりと頭に入れて便利に活用していきましょう。
チップソーとは円形の刃のこと
チップソーとは丸い形のノコギリの刃先に、硬い材質のチップをつけたものです。
一般的には電動丸ノコに付いている刃のイメージが強いですが、草刈機に使われている大きな刃もチップソーの一種です。
チップソーの中心には穴が空いており、さまざまな工具に取り付けられます。モーターの力で刃を高速回転させることで、ノコギリのように対象物を削りながら切ることができます。
なぜチップが付いている?
高速回転しながら対象物を切断するチップソーの刃は消耗品です。一方で、硬い金属を切るためには「ハイス鋼」や「鉄鋼」といった特殊な素材が必要です。
特殊な素材を刃全体に使用すると非常に高価になってしまうため、接触面である刃先のみに素材を使用することによってコストダウンを図っています。
チップソーの特徴
現在広く普及しているチップソーですが、昔ながらの手で引くノコギリでも、角材やコンパネなどの木材や薄い金属を切断することはできます。
チップソーを使うことでどのような違いが生まれるのでしょうか。
素早く正確に切れる
手動のノコギリでまっすぐ木材を切るには経験と技術が必要です。
電動丸ノコには正確に切断できるようにガイドが付いていますので、適切に使用すれば初心者でもきれいに木材を切ることができます。
切断するスピードもノコギリとは比べものになりません。大量の建材を加工する必要があり、わずかなズレも許されない建築現場においても、チップソーはなくてはならない必需品です。
さまざまな物が切れる
- 硬さと粘り強さが必要な木材用のチップ
- ダイヤモンドに次ぐ超高硬度の金属用チップ
- 石膏ボードや塩ビ管をなめらかに切断するための薄型のチップ
など、対象物に合わせたたくさんのチップソーが販売されています。
適切なチップソーを選ぶことで作業時間を短縮でき、同時にクオリティも向上させることができます。用途に合わせて複数のチップソーを使い分けるとよいでしょう。
チップソーでは切れない物
非常に多用途なチップソーですが、苦手な対象物もあります。
布や紙などの薄いもの、割れやすいガラスや硬すぎる石材の切断には向いていません。ガラスや石材にはそれぞれ専用の工具を使用しましょう。
チップソーの使い方
チップソーは実際の現場ではどのように使われているのでしょうか。今回は3つのシーンにおけるチップソーの選び方や活用法をご紹介します。
木材を切る
電動丸ノコにチップソーを取り付けて使用します。解体の現場や廃材の整理など、とにかく大量の木材を切りたい場合には、大型で刃数の少ないチップソーが適しています。
建具や家具など、繊細な切り口が求められる場面では、刃数が多く薄型のチップソーを選びましょう。
電動丸ノコには角度をつけて切断できるモデルもありますので、ひとつ持っておくと作業の幅が一気に広がります。
金属を切る
「チップソーカッター」という金属用の丸ノコを使う必要があります。
電動丸ノコでは切断時に発生する高温の金属くずの熱に耐えられず、回転数も高すぎるため切断面が焼けてしまう可能性があります。
チップソーカッターと電動丸ノコは見た目がそっくりなため兼用できそうですが、安全面に関わりますのでしっかりと使い分けましょう。
草木を刈り払う
電動やガソリン式の刈払機(草刈機)に取り付けて使用します。
農業や草刈りの仕事では大型のチップソーを選び、狭い場所の草刈りや刈払機のパワーが弱い場合には小型のチップソーを選びましょう。
草刈り用のチップソーは豊富な種類があり、細い竹や木なども切れる刃数の多いチップソーや、刃先を研ぐ「目立て」をすることを前提とした経済的なモデルもあります。
まとめ
チップソーは、取り付ける工具によってさまざまな物を切断出来る便利な道具です。使い方もシンプルでわかりやすく、用途も幅広いため、DIYや建築現場において使う機会は多いでしょう。
一方で、「回転する刃物」という特性から、使い方を誤るとケガしてしまう可能性があります。
チップソーを選ぶ際には説明をよく読み、適切な工具に取り付け、快適に作業を楽しみましょう。