ディスクグラインダーとは、工具先端のディスクを毎分数千~1万回転以上で高速回転させて、切断や研磨作業する工具です。
ディスクを付け替えることで金属や木材、コンクリートなど様々な素材で作業が可能になります。
ディスクグラインダーの特徴
ディスク交換をすることで、多種類の素材を切断、研磨できますが、ディスクグラインダー自体を選ぶ際には、用途に合うモデルにしなくてはいけません。
ディスクグラインダーはマキタやHiKOKI(ハイコーキ)、BOSCH(ボッシュ)、RYOBI (リョービ)など各社から仕様の異なるモデルが販売されています。
主な判断基準は電源、回転数、消費電力です。予算と作業内容に合わせて選びましょう。
電源
電源は充電式か、AC電源式の2種類。作業現場が屋外や電源確保が難しい場合は、充電式のものがあると作業が効率的にできます。
しかし、ディスクグラインダーは作業中ずっとディスクを回転させる必要があるため、AC電源式のほうが作業時間に制限がなく、好まれる傾向があります。
回転数
ディスクグラインダーを比較する際に指標にするのは回転数です。1万回転を超えている高速回転型のほうが金属などの切断には適したディスクグラインダーになります。
その反対に回転数が9000や8000のモデルは、研磨や研削作業に適しています。
また、コンクリートやレンガ、石材などの素材を切断したい場合は、低速回転の高トルク型のディスクグラインダーを選びましょう。
回転数を調整できる変速型のディスクグラインダーは、1つで金属の切断と石材の研磨作業など、異なる素材に対応可能な便利なモデルです。
消費電力
基本的にディスクグラインダーのワット数が高いほどパワーが出ます。
メーカーによって表現が最大出力と表現したり、消費電力と表現したりと違いますが、ワット数(W)が高いほうが工具のパワーが上になります。
ただし、AC電源のディスクグラインダーに限られます。充電式の場合はバッテリーの電圧(V)ボルトがパワーの指標になります。
ディスクの種類
ディスクは大まかに切断用、研削用、研磨用の3種類。
その中でさらに細かく金属用、コンクリート用、木材用と分類できますが、ここではざっくりと3種類のディスクについて説明します。
切断用ディスク
切断用に使用するディスクは、研磨作業に使うディスクより薄く、厚さが1~2mmほど。
ディスクが薄いほど素材の接触面積が少ないため、早く切断でき、断面もきれいにできます。
しかし、薄い分だけディスクの耐久度は落ちます。高頻度で使う場合は、耐久性も考えて、予備ディスクを用意しておきましょう。
主に切断用に使うディスクは、切断砥石とダイヤモンドカッターです。前者が金属、後者がコンクリートやレンガ、ブロックの切断に使用します。
研削用ディスク
素材の表面を削り取る作業で使用するディスク。
研磨作業との違いを明確に線引きするのは難しいですが、金属のバリ取り、コンクリートやブロック、レンガの角落としなどは研削作業になります。
ステンレスや鉄板、鉄パイプなどの表面を削るなどの作業では研削砥石を使い、コンクリートやブロックの場合は、ダイヤモンドカップを使います。
研磨用ディスク
素材表面を削る作業と磨く作業は本質的には同じものですが、表面を滑らかにするが研磨作業といえるのではないでしょうか。
しかし、ディスク選びを間違えると表面を削りすぎて、キズつけてしまうこともあるため研削なのか、研磨なのか、目的と素材に合わせて適したディスクを選びましょう。
いくつか例をあげると、サビ落とし、汚れ落としにはカップブラシやナイロンディスク。
鏡面仕上げや鏡など表面を磨きあげる時は、フェルトディスクを使用するとキレイに仕上がります。
ディスクグラインダーの注意点
ディスクを高速回転させて作業をするため、絶対に体に接触するような危険な体勢や角度での使用は避けてください。
それ以外にもディスクグラインダーを使用する際の注意点があります。それは火花とキックバックです。
可燃性のあるもののそばで作業ができない
ディスクグラインダーは可燃性がある物の近くでは作業ができません。
ディスクを高速回転させるため、作業中に頻繁に火花が発生し、引火する可能性があるからです。
木材のおが屑や引火性が高い溶剤、アルコールなどがある場所での使用は厳禁です。
作業をする前に、現場に燃えやすいものがないか確認して、あるようなら遠ざけるか、撤去しましょう。
キックバックに注意
キックバックとは切断作業中にディスクグラインダーが自分に跳ね返ってくることを言います。
ディスクと素材の接触面が大きくなると、同時に抵抗が増え、強い反動が起きます。
その時に工具が跳ね返ってくる場合があるため、本体をしっかり持ち作業するようにしてください。
体に少し接触するだけで大けがする可能性があるので注意しましょう。
ディスクグラインダーのメリットとデメリット
切断、研削、研磨と1台に多用途に使用できるディスクグラインダーですが、メリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットそれぞれ代表的なものをお伝えします。
メリット
やはり、1台で複数の作業、異なる素材に対応できることでしょう。切断と研磨を1つの工具で対応可能というのは、それだけで作業効率が上がります。
しかも、ディスクを揃えれば、木材や金属、石材など広く対応できるのもメリットといえるでしょう。
デメリット
デメリットはメリットの裏返しで、対応可能な作業を増やすためにディスクの数を揃えておく必要があることです。
対応可能な作業を増やそうとすればするほど、その分だけ数を揃えないと使いまわしができません。
しかも、ディスクは消耗品です。高頻度で使うディスクは予備も含めて用意が必要になるでしょう。
まとめ
1つの工具で切断・研削・研磨作業ができるディスクグラインダー。
ディスクを揃えることで金属や木材、コンクリートなど数種類の素材に対応する便利ツールです。
使う人も大工などの職人、趣味でDIYをする人、塗装工などの広い分野で必要とされるでしょう。