刃が付いたチェーンが高速で回転する事により、木材をカットする工具がチェーンソーです。
山林業等プロの方に使われる事が多いですが、最近ではコンパクトな機種をDIYに使われる方も増えてきました。
非常に便利な本機ですが、やはりメリット・デメリットがあります。そこで今回は本機のメリットやデメリット、そして購入時の選び方について見ていきます。
是非、最後までご覧ください。
エンジンチェーンソーのメリット
チェーンソーの中で最も一般的なのが、本機です。
排気量も20cc程度の小型のタイプから75ccを超える特大のタイプまで、様々な機種が取り揃えられています。
製造メーカーも豊富です。では、まずメリットから見ていきます。
- 電源コードが無いので取り回しが楽で場所を選ばず使う事が出来る
- 動力がエンジンなので、燃料さえ補給すれば長時間の連続運用も可能
- 電動式や充電式と比較して圧倒的な力がある
- チェーンの回転数が速く、トルクも強い為、大きな原木を切り倒す事も可能
- チェーンソーのガイドバーが長い機種が多いので太い樹木を切り倒す事も可能
例えば山に立っている樹木を伐採するのが目的であれば、本機一択です。その理由はトルクが断然違う為です。
トルクとは?
例えば六角レンチ等でネジを緩める時、支点からの距離が長い六角レンチの方が強い力を発揮します。この力の事をトルクと言います。
ドライバー使用時でも、力を入れないと動かない時は、更に強いトルクが必要と言う事になります。
このトルクに関しては他の方式と比較しエンジン式の方が圧倒的に強いトルクが得られるので、大きな樹木を切り出すときは本機が最適となる訳です。
エンジンチェーンソーのデメリット
上記のように圧倒的なパワーを誇る、本機ですが、勿論デメリットもあります。
ここではデメリットを見ていきます。
- エンジンを載せているので、他の方式と比較し重量が重くなる(現在ではエンジン改良も進み、差が縮まってきていてメーカー等によっては逆転してるケースも)
- 燃料の管理が面倒に感じる人もいる(メンテナンスや混合ガソリンの作成)
- 燃料が無くなれば、当然給油をしなければならない
- 電動式と比較すると騒音や振動が大きい
- エンジン式なので排気ガスが発生し、環境への影響がある
エンジンの種類
近年の刈払機では、環境に配慮した4サイクルを載せた機種が主力になりつつあります。しかし、本機では全機種2サイクルとなっています。
勿論、これには理由があり、2サイクルは小型でパワーを出せると言う特徴があります。
本機は刈払機とは違い、両手のみで保持する必要があるので、出来るだけ小型で軽量であることが求められます。
また、4サイクルはエンジンの底にあるオイルパンに貯まったオイルを吸い上げエンジンに行き渡らせ潤滑油としますが、チェーンソーの場合上下左右あらゆる角度で使用されるので、この吸い上げが正常に出来ません。
2サイクルであればオイルとガソリンを混合して使用しますので、全く問題ありません。
更に、2サイクルはスロットルへの反応が良く、高速回転にも適しているので、チェーンソー向きです。
エンジンチェーンソーの選び方
引き続き選び方を見ていきます。
排気量で選ぶ
基本的にガイドバーの長さと排気量は、ほぼ比例しています。排気量30CCであれば、長さは250~350mm、排気量45ccであれば、長さは400~500mmと言った感じです。
大雑把な目安としては、排気量を10倍してその前後50mmの範囲と言ったイメージです。対象物のサイズに応じた排気量のモデルを選択しましょう。
大きく分けて排気量34cc位まではDIYやライトユース向け、排気量35~44ccクラスはプロのミドルモデルやDIY、ライトユーザー向けの高価格帯のモデルになってきます。
排気量45~59ccになると全てがプロ向けになります。それ以上の排気量になるとプロの中でもヘビーユーザー向けとなります。
直径30cm以内の木であれば35cc程度、50cm以内で40cc程度、それ以上であれば50~70cc程度と言うところが一応の目安です。
ガイドバーの長さで選ぶ
この長さも重要です。これはチェーンの回転を支える部品で、この長さが使用出来る最大長となります。
しかし、350mmの木を350mmのガイドバー装着のチェーンソーで切断する等、長さ目一杯での使用は負荷が大きくなりますし、取り回しもしづらくなります。ギリギリの場合は、ひとつ上の機種を選択しましょう。
ガイドバーの仕様で選ぶ
3種類のタイプがあります。それぞれ使用用途が違いますので、使用用途を確認しましょう。
スプロケットノーズバー
先端部の歯車でチェーンを円滑に回転させる事が出来るので、高速で切る事が出来ます。歯車の部分が埋め込まれているものと、歯車部分だけを交換できるものがあります。
最もスタンダードなタイプでほとんどの作業をこなせます。但し、その構造上部品の数が多い為、寿命は短めです。
特に左右への折れ曲がりに弱く、太い木の切断時に抜けなくなった場合に無理にねじったりすると曲がってしまいます。
カービングバー
先端部を細くし尖らせる事で、キックバックの発生を抑えています。軽量なので、枝打ち等の細かい作業に向いています。
先端部が尖っているので、抵抗が大きくなり、スピードは遅めでエンジンへの負荷が最も大きくなっています。
ハードノーズバー
歯車等の構造を省き、耐久性を追求しています。先端部を突っ込んで切る切カット方法に最適です。
歯車が無いので、抵抗が大きくなりスピードは遅くなります。また頑丈ではありますが、その分重いです。
ハンドルで選ぶ
これには2種類あります。それぞれ排気量やガイドバーの長さに対しての最適なものです。
トップハンドル型
本体の上部と側面を握ります。小型で軽量の設計を重視されたものに多く採用され、取り回しが簡単です。
リアハンドル型
持ち手が本体の全部と後方に付いています。手と手の間が広くなり、安定性が増します。大型で広く採用されています。
まとめ
今回はメリットやデメリット、そして購入時の選び方について見て参りました。いかがでしたでしょうか?
あまり詳しくないと言う方も多いでしょうが、実際に買うとなると選定の基準が分からないですよね。
今回の記事が皆様の商品選びの参考になれば幸いです。自分の好みのものを使用し実際の感覚を体験する事もとても大事な事です。