内装工事やリノベーション、DIYに役に立つ工具の1つにレーザー墨出し器があります。レーザー墨出し器とは、レーザーを照射して基準となる線を示す工具になります。
以前はその名前の通り墨を使っていました。墨つぼとも呼ばれており、大工道具として職人たちには馴染みのある工具の1つでした。
それに代わるものとして、レーザーの光で基準を作ってくれるレーザー墨出し器が普及しています。この工具は、職人が使う専用の道具以上に、便利に使えます。
前半では、どのような工事で、レーザー墨出し器が便利なのかをご紹介して、その後に墨を使った墨出し器では、できなかった便利な使い方をご紹介します。
どんな工事で便利?
レーザー墨出し器が役立つ工事は、内装に関する工事が多いかもしれません。
具体的には、配管工事、電気配線、ボード工事などで基準となる真っすぐな線が必要になるときです。
配管工事
配管の通るルートを、あらかじめしっかりと把握するときに、レーザー墨出し器は重宝します。
レーザーの特性の1つに「真っすぐ進む」というものがあり、天井の配管や壁の配管のルートをつくるときに便利です。
少し本題とズレますが、この配管に使う専用のパイプレーザーという工具もあります。
電気配線
配管工事と似ていますが、電気配線の場合は、配線の取り付けよりも、照明器具やエアコンのコンセント、スイッチの場所を決めるときに便利です。
エアコンなら取り付け金具の位置を決めるのに、すぐに場所が決めることができて、作業を進めることができます。
ボード工事
天井や壁に石こうボードなどを取り付ける工事で、神経をつかうのは窓、ドア、エアコン、スイッチなどの取り付け位置の把握です。
レーザーを照射して、取り付け場所や大きさ、高さの把握が早くズレなくできます。
それらの位置に合わせて、ボードにカットや切れ込みを入れて、ピッタリとボードを取り付けることができると作業が効率的に進みます。
墨つぼと比べたレーザー墨出し器
以前の墨を使う墨つぼと比べて、レーザー墨出し器の便利なところは、扱いやすさです。
- 材料に余計な線を書くことや穴を空けなくてもいい
- 使うのに慣れや技術があまりいらない
- 手が汚れない
などの便利さもあります。墨を使わず専用の粉を使う墨つぼもありますが、どちらにしても手が汚れます。しかし、レーザー墨出し器なら、手も汚れません。
ほかの便利な使い方
ここまではいわゆる建築現場での使用方法でした。ですが、レーザー墨出し器は、他にも便利な使い方があります。
家具製作
クローゼットやタンスなど、少し大きめの家具を作ろうとすると、木材に真っすぐな線を引けないといけません。
そういったときに、レーザー墨出し器のレーザーに合わせてやれば、真っすぐな線や直角を出すことが簡単にできます。
これをメジャーや定規でやろうと思うと、それなりのコツが必要です。しかし、レーザー墨出し器があれば、光のラインに合わせた線を引くだけです。
据え付けの家具
壁掛け式の本棚や飾り棚を取り付けるときに、レーザー墨出し器を使えば、まっすぐな水平の線を出してくれます。
ある程度できあがって、棚板が水平かどうかを水平器で調べたら、傾いていたということを避けることができます。
リノベーション
古民家を自分でリノベーションするときに、レーザー墨出し器があると大きな失敗をせずにできるでしょう。
専門職の人とは違い、線をまっすぐに引くのも、なかなかうまくいかないことがあります。
そういうときにレーザー墨出し器でガイドラインをしっかりつけてやれば、壁材のカットや壁紙の貼り付けで大きなズレを防ぐことができます。
家の傾き計測
レーザーの真っすぐ進むという特性を利用して、家の傾き計測ができます。
レーザー墨出し器は水平線と垂直線の2本のラインが出せるものがあるので、柱の角に垂直に出るレーザーを合わせてやれば、家がどれくらい傾いているかを計測することができます。
住宅を専門で扱っている職業の人には、便利な使い方といえるでしょう。
イベント会場
イスが真っすぐに並んでいるかどうか、よく分かるのはイベント会場ではないでしょうか。イスなどを真っすぐ並べるのは地味に大変です。その修正も時間が掛かります。
こういった場面で、レーザー墨出し器でレーザーの線つくり、そこに合わせてイスを並べれば、真っすぐなイスの列ができあがります。
まとめ
本来であれば、真っすぐズレをなくした線を引くには、それなりの技術とコツが必要です。ですが、レーザー墨出し器を使うと正確なまっすぐな線を簡単に引くことができます。
建築現場だけに限らず、水平になっていないと困るものはたくさんあります。なにより、失敗していると傾きの修正や取り付け位置の変更など、時間と手間、コストが掛かります。
そういった2度手間を減らすにはレーザー墨出し器はとても便利です。