*今回の悩み人*
『DIYで出来ることをもっと増やして様々な物を作りたいのですが、ナッターって本当に便利なのかな?具体的なメリットとデメリットを詳しく説明してくれませんか?』
今回の記事を読むとこんなことが分かります。
- ナッターとは?基本的な基礎知識あれこれ
- ナッターの具体的なメリットとデメリットについて
本日の悩み人さんは、DIYの仕上がりや作業レベルを1段階上げて脱初心者を目標としている様子です。
ナッターを導入することで間違いなく作業が効率的になるのですが、具体的にはどんな変化があり、どんな作業に向いているのでしょうか。
今回は薄い木材や金属板へのナット取り付けに便利なナッターについて、メリットとデメリットを詳しくご紹介します。
そもそもナッターって何ですか?
タップできない薄い板材にもネジ穴を作ることが出来る
??『ナッターって言われても全然聞き慣れないから全くイメージ出来ない!タップってパソコンとかのキーボードを指で打つ事のやつでしょ?…あれはタイピングだっけ。』
ナッターは金属部品であるナットを板材に打ち込む工具です。
タップ(Tap)、またはタッピングとは、金属加工において穴の内側にねじ山を刻む時に用いられる工具や作業工程の事です。
つまりナッターを使用することで溶接が困難な箇所や素材に対して安全で気軽にネジ穴を取り付ける事が可能です。
薄い金属板に溶接をすると高熱が原因で板が歪んでしまい、作業や仕上がりに大きく影響します。
薄材や樹脂、FRP素材などに対して溶接は適していないのでナッターを使用してネジ穴を新たに作り出す、という訳です。
ナッターの特徴を解説!
ここでは初心者に向けたナッターの基本的な特徴を簡単にご紹介していきます。
基礎は知っているから早くメリットデメリットを教えて欲しい!という方は次の項目にスキップしてくださいね。
特徴① 電源不要で使用できる
エアーコンプレッサーを使用するエアーナッターや電源を必要とする電気ナッターもありますが、基本的なナッターは手動工具なのでどこでも気軽に使用することができます。
特徴② 初心者でも安全に使用できる
電動工具は数多くの危険が潜んでおり、油断したり知識が不足すると簡単に大きな怪我をしてしまいます。
しかしナッターは、丸ノコのような回転刃やハンマードリルのような振動もしないので初心者でも気軽に使用することができます。
しかし、DIYデビューの最初を飾る電動工具としてナッターを導入しても出来る事が少ないので、一番最初に導入する場合はしっかりと自身の用途に合っているか吟味しましょう。
特徴③ M4~M6くらいのアルミナットをかしめる事が可能
基本的なハンドナッターを使用するとM4〜M6位までのアルミナットをかしめる事ができます。
ここで、いくつか注意点があります。
??『通常のボルトナットは重くて大きいけど、ナッター専用のブラインドナットは軽くて小さいのが特徴だよ!ナットだからってなんでも使えるわけじゃ無いから、困ったら販売店の店員さんに聞けば間違いないよ。』
知っておきたい!ここがポイント
Q、ブラインドリベットとブラインドナットの違いって?
リベットとナットは似ているようで実は用途が違います。基本的な用途は『板材をカシメる』事で、これはどちらも一緒です。
- 「リベット」:2枚の薄材を結合させる事が可能なので、溶接が効かない樹脂やFRP素材にも使用出来ます。
- 「ナット」:薄材にネジ穴を作ることが可能なので、タップが立てれない薄材でもしっかりネジ穴を確保できます。
似ているようで実は違う2つの特徴をしっかり理解することで、作業を効率化出来るだけでなく、脱初心者に一歩近づくと思いますのでこの機会に覚えてみてください。
具体的なメリット・デメリットを解説!
ここからはナッターのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。まずは一覧にするとこんな感じです。
- 材料が歪まない
- 初心者でも簡単に扱える
- 車のパーツ取り付けやDIYカスタムに
- 比較的安価で導入できる
- 専用工具なので限られた用途にしか使えない
- 厚材には使用できない
◯メリット1 材料が歪まない
通常、ナッター以外の工具を利用せずにナットを金属板などに固定する場合は溶接をする必要があります。
厚めの板材なら問題無いのですが、薄い金属板に溶接をすると熱源が原因で金属が歪んでしまう可能性が高いです。
しかしナッターなら熱源を使用せず、薄材も歪む事無くナットを取り付ける事が出来ます。
◯メリット2 初心者でも簡単に扱える
前述した『溶接』には一定の知識や経験が必要とされており、火傷や怪我のリスクもありますので初心者のDIYにはオススメ出来ません。
その反面、ナッターは熱源や高圧電力も一切不要ですので、工具と必要な部品さえあればすぐに作業を開始できます。
つまりナッターは丸ノコやディスクグラインダーに比べると、圧倒的に気軽で安全に使用出来る工具であると言えます。
??『私も趣味の裁縫でハトメパンチを使ってカシメる事があるし、ナッターも使い方は同じような物だよね?なんだ、工具って危ないイメージあるけど結構余裕じゃん。』
他の電動工具などに比べると圧倒的に安全ですが、使用方法を誤ると指を挟んで怪我をするリスクがありますので、油断せず使用しましょう。
◯メリット3 車のパーツ取り付けやDIYカスタムに
ナッターは現場作業だけでしか使えない工具だと決めつけていませんか?
実はご自宅で、愛車へのカスタマイズにもフル活用する事が出来ます。
例えばオーバーフェンダー取り付けに使用したり、パーツ取り付け用のステーを新たに付けたり、アイデア次第で様々な加工を施すことが可能になります。
車やバイクはエアロパーツ等の装着で他車との差別化を図り、周りとは違う個性を出すことも楽しみの一つです。
プロから初心者までたくさんのDIY好きが交流できる専用ホームページでは、ナッターの意外な使い方も紹介されていますので、ぜひそちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、車検が通る範囲内でのオリジナルカスタムを心掛けましょう。
◯メリット4 比較的安価で導入できる
正直なところ、電動工具は高額なものが多いです。
安くても10,000円を切ることは殆ど無く、仮にあったとしても粗悪で性能が低く、数回使用しただけで壊れてしまう電動工具が多いので、安さだけに気を取られ過ぎないよう注意が必要です。
ハンドナッターに関しては3,000円台から購入でき、性能も申し分ないものが数多く存在しますし、部品であるブラインドナットも10個で数百円から購入できるので手が出しやすい部類だと思います。
どちらもホームセンターで手に入るので、導入〜作業までの時間がほどんど掛からない手軽さも人気の秘訣です。
×デメリット1 専用工具なので限られた用途にしか使えない
これを言ってしまえば本末転倒というか、至極当たり前の事なのですがナッターはナットを打ち込む事しか出来ません。
しかし専用工具なので性能は高く、用途さえ合えば間違いなく便利なアイテムです。
ナット取り付けにはナッターがあれば作業が捗りますので、取り付ける機会が多い方は導入をお勧めします。
×デメリット2 厚材には使用できない
どんな板材にも使用できるわけでは無く、あくまで薄材限定での使用が前提ということを覚えておきましょう。
とはいえ、分解する事ができないために裏側からナットを押さえる事が不可能な場面では大変助かりますし、厚材には溶接をすれば良いので気になる問題ではありません。
基本的には0.5〜3mmまでの板材に対応できますので、ご自身の用途と材料に合わせてしっかりと厚さを確認しましょう。
まとめ
今回はナッターの基本的な情報や特徴、そしてメリットとデメリットを詳しく解説しました。
金属に金属部品を取り付けるには溶接が必須と思われがちですが、溶接には一定の知識と経験が必要であり、それらが不足すると大きな怪我や事故のリスクが上がります。
ナッターは電源や熱源を使用せず気軽に使用できるので、初心者にもオススメでき、愛車のDIYカスタムや金属加工を頻繁に行う方も一台あれば作業の幅が広がります。
今後も電動工具やハンドツールの人気は上昇し、ますますDIY界隈も賑やかになると予想されていますので、思い立ったこの日に導入を検討してみてはいかがでしょうか。