*今回の悩み人*
『ボール盤という装置がありまして、これを使用することで木材や金属に効率よく穴を開けることが出来るそうです。その他にも他の電動工具とは違う特徴があると思うのですが、ご存知でしたら詳しく教えてくれませんかね。』
今回の記事を読めばこんな事がわかります。
- ボール盤の種類や基礎知識
- ボール盤の特徴あれこれ
電動工具で加工物に穴を開けるとしたらどのアイテムを使って作業をしますか?
一般的には電動ドリルドライバーで開ける方法が一般的かと思いますが、もっとスピーディーかつ安全に穴を開けられる装置があるとしたら…
今回はより効率的に穴を開けられるボール盤の特徴について詳しくご紹介したいと思います。
そもそもボール盤ってどんなもの?
あまり聞き馴染みがないかもしれないですが、ボール盤とは簡単に言うと金属や木材に対して正確な穴を開けるための工作機械のことを指します。
ボールと聞くと玉や球体の方のボールを連想するかも知れませんがオランダ語のboor-bank(「ドリル台」の意)から採用したというものです。
また、別の解釈として掘るという意味のボーリング(boring)からもじってボール、という説もありますが意味合いが異なるので違うとされております。
(英語でボーリングマシン(“boring machine”)は地中に円筒状の穴を掘り進める装置のことを指します。)
特徴① ボール盤はたくさんの種類がある
ボール盤と一言で言っても色々あり、卓上で扱える物から大型工作物の穴あけに対応出来るものまで様々です。
具体的な種類と用途を下記にまとめてみました。
??『すごい、ボール盤にこんなにも種類があるとは…自分の作業に一番適したものを選択する事で仕事の効率がグッと上がりそうな気がして来ました。では、具体的な加工方法も教えてもらえますかな。』
特徴② 様々な加工方法がある
効率よく穴を開けられるボール盤ですが、ただ穴を開けるだけではありません。
切削工具を取り替えることで様々な加工方法で穴を開ける事が出来ます。主な加工方法は下記の通りです。
穴あけ加工
ボール盤の最も基本的な使い方と言える加工方法で、ドリリングとも呼ばれています。
シンプルな穴あけ方法のソリッドドリリング加工や、穴の中心に円筒を残しつつ大径の穴をあけるトレパニング加工などが一般的です。
中ぐり加工
バイトと呼ばれる切削工具を使いドリルで穴の内径を広げて、寸法精度を出すための加工方法です。
加工には一定の技術が必要と言われており、音を頼りに寸法を判断しなければいけない場面があったり加工面が見えづらい、切りくずが内部に溜まりやすく傷がつきやすいなど難易度が高いのが特徴です。
座ぐり加工
座ぐり加工とはボルトやネジの頭部が出っ張らないよう加工物の表面に凹みを作る加工方法で、主に六角ボルトなどを使用する際に使用されます。
ねじ切り加工
タッピングまたはタップ立てとも呼ばれるこの加工はドリルで穴を開けた後、タップを差し込んでねじ山を作ります。
ねじ切り加工はとても抵抗が大きく、固定が甘いと怪我や故障の原因になりますので加工物を確実に固定して作業しましょう。
特徴③ 作業に応じたドリルがある
ボール盤で使用できるドリルは数種類あり、用途に応じたものを使い分ける事で様々な穴あけが可能です。
ツイストドリル
ドリルと言えばこれを指す程のごく一般的な穴あけ用のドリル。特徴的なねじれ構造は切削時に出たクズを排出してくれる役割があります。
センタードリル
他のドリルに比べ剛性が高く全長が短い点が特徴。加工物にいきなり穴あけを行うとドリルが滑りうまく穴を開けられない為、センタードリルで事前に穴を開けることで正確な作業が可能です。
座ぐりドリル
名前の通り座ぐり加工に適したドリルで、フォスナービットや座ぐり錐などと呼ばれたりします。入り口側が広い径になるような穴を開ける事が可能です。
まとめ
今回はボール盤についての基礎知識と具体的な使用方法をご紹介しました。
一般的な電動ドリルドライバーで穴を開けるよりも安全で、正確な作業ができるボール盤はとても便利なので、特に金属加工を頻繁に行う方は一台持っておきたい装置であると言えます。
DIYなどでご自宅に導入するにはちょっと敷居が高そうと思うかもしれませんが、小型卓上ボール盤などのコンパクトなタイプもありますのでこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。