塩ビ系から木材・金属類の切断までの作業を容易にしてくれるのがセーバーソーです。
手のこぎりとの比ではないほど、スピーディに作業をこなせるため、プロの間でも必需品となっています。
しかし、もちろんメリットとデメリットがあります。今回の記事では、セーバーソーのメリット・デメリット。そして選び方を解説します。
メリット
まずはメリットから見ていきましょう。
通常のノコギリの感覚で使用できる
刃が前後に電動で動くので、普段使用しているノコギリの感覚に似ており、スピーディにカット可能なことが魅力です。ただ持ってさえいればカットしてくれるので、腕が疲れません。
どの方向にでも力強いパワーでカット出来る
小さい刃が上下に動いて曲線が切れる「ジグソー」や丸型のノコギリで正確な直線切りができる「丸ノコ」とは異なり、本機は360度の方向でも力強いパワーでカットできます。
サイズが若干大きいので、多少扱いづらいように見えますが、ラフに使用できるので、庭木のお手入れや粗大ごみの解体にも最適です。
比較的安全にカット出来る
スイッチを常時指で操作でき、刃が回転計ではないので比較的安全です。そうは言っても適正使用は必須です。
切断対象を選ばない
本体さえ入ればほぼ何でもカットできます。
太さを問わず切断出来る
刃の長さや入れ方を変えることで対応できます。
大きなサイズが切断出来る
最大350mmもある大きなサイズの金属配管もカットできます。このサイズになると重量が60Kg近くあります。
さすがに手に持っての作業は難しいので、チェーンなどで固定し切断することになります。
充電式であればどこでも使用できる
コードが付いていないので、自由に動けます。電源の準備も不要です
デメリット
数々のメリットがありましたが、もちろんデメリットもあります。続いてはデメリットを見ていきます。
鋳鉄管やステンレス管を切るのには適していない
切れないことはないですが、時間がかかりますし、刃もなまってしまいます。
刃が焼ける
刃の同じ箇所に負荷をかけ続けたり錆が溜まっていたりすると焼けやすいです。
選び方
さまざまな種類が発売されているので、使用用途に応じて選ぶ必要があります。そこでここからは選び方について解説いたします。
充電式かコード式かで選ぶ
充電式とコード式があります。この2つをどう使い分けは、
- パワーや連続作業が求められる場合は「コード式」
- それ以外の場合は取り回しも考えて「充電式」
がおすすめです。太い鉄筋や鋼管のカットなどの切断能力を求められる場合は、やはりコード式です。
それ以外の利用環境であれば、給電式の方が取り回しも楽なのでおすすめです。
切断能力で選ぶ
カタログなどで詳細説明を読むと、切断能力というスペック欄があります。
そこに木材○○mmや鉄パイプ○○mmと書かれています。この切断能力とはどこまでの太さのものをカット出来るかという数値です。
切断能力が高いほど本体が重くなり、価格も高くなる傾向なので用途に合わせた切断能力を選びましょう。
ただし、配管切断よりアルミサッシや太い木材をカットすることが多い施工業者の方は、余裕を持った切断能力を備えているタイプをおすすめします。
付属の替え刃の種類とオプションのブレードで選ぶ
ステンレス・鋼材・木など切断対象に合わせて、替刃を交換するのがおすすめです。複数の材質で使用できるように、いろいろな替刃がセットになった商品を選びましょう。
太く硬い素材の場合は「厚めの刃」がピッタリです。刃が薄いと素材の厚さに負けて進みにくくなってしまい、著しく作業効率が低下します。
切断面を広く取る場合は「長めの刃」。きれいな断面であれば「多めの刃数」など、作業や目的によって臨機応変に交換できるように前もってチェックしておきましょう。
また、必要に応じて購入できるようにオプション刃の充実した商品を選びましょう。
メーカーで選ぶ
「マキタ」:知名度も人気も高いブランドでラインナップが豊富
国内最大手の電動工具メーカーで知名度も高く、業務用でもDIY用でも人気の高いブランドです。電動工具の他に園芸用機器なども扱っています。
本機ではDIY向けから小型、大型など10種類以上をラインナップしています。低振動機構AVTやマルチポジションスイッチの採用など、使いやすさで人気を博しています。
「Hikoki(ハイコーキ)」:ハイパワーなモデルガン人気でプロも納得の品質
マキタ同様非常に人気のあるブランドです。
元々は日立工機というブランド名でしたが、2016年にHikokiに変わりました。信頼性の高い製品やサービスはもちろん従来通りです。
本機では、ハイパワーで高機能な製品が多くプロのファンも多いです。
「リョービ」細かい作業の得意なコンパクトなタイプが人気
リョービの電動工具は使いやすく、初心者向けの製品が充実しています。
各メーカーともDIY向けの電動工具には力を入れていますが、リョービはDIY向けの中でも低価格でシンプルな機能のエントリーモデルを販売しているのが特徴です。
本機でも使いやすい製品が多いです。
「EARTHMAN(アースマン)」:デザイン性が高くリーズナブルな工具をラインナップ
建築用工具メーカー「高儀」のブランドです。およそ150年前に鍛冶屋として創業した高儀は、ノミやノコギリといった大工道具をはじめ、電動工具や園芸用品も人気です。
特にDIY向けの製品に力を入れており、本機もリーズナブルな価格で家でも使いやすいものがラインナップされています。
大型のモデルの場合は耐久性とアフターサポートを重視する
大型のモデルでは、電動工具の中でもトップクラスに過酷な環境で使われる工具です。
解体作業に使用する場合、カタログスペックを超えて使用してしまう場合が多くあるので、余裕をもって製品の選定を行うことがおすすめです。
また、部品の破損・脱落やメカの摩耗なども早いケースも多いので、販売店と相談してサポートが充実していて修理部品の取り寄せが早そうな製品を選びましょう。
サイズで選ぶ
製品のサイズや形状で使用用途が異なります。大きく分けると、片手で扱うハンディタイプと両手で使用する大型タイプの2種類があります。
ハンディタイプは家庭のDIYや庭木の剪定に使う木材のカットに向いていて、小型で取り回しに優れています。ホームセンターで見かけるのは主にこのタイプです。
大型のタイプは、両手でしっかり持って使用する高出力タイプです。ストロークの量も大きく、ストローク数も高いので、太い金属パイプや複合材であってもバンバンカットできます。
金属から木材までなんでも切れますが、細かい作業には向きません。
切りやすい機能で選ぶ
木材を早く切りたい場合はオービタル機能つきがおすすめ
通常は刃をスライドさせて対象物をカットしますが、オービタル機能を使うと刃が楕円を描くように動きます。
部材を切った後に一度部材から離れるので、摩擦が少なくなり木材を早く切ることが可能です。
マルチポジションなら向きを問わず切りやすい
ハンディタイプに多く、スイッチが本体中央部と端の2カ所に付いた形状です。本機は刃と反対側の端にハンドルやスイッチがあることが多いです。
しかし、この形状だと片手で持って作業する際にバランスがとりづらいこともあります。
そこで中央部を持つことができれば保持しやすくなりますし、端のスイッチは、天井のボードをカットするなど上向きでさ御する時に便利です。
作業環境に合わせたものを選ぶ
長時間の作業になる場合は低振動タイプ
業務での利用など長時間の作業が予想される場合は低振動タイプがおすすめです。
本気は作業中にかなりの振動が本体を持つ手に伝わってきます。その振動はハイパワーになるほど大きくなり、保持するだけでもかなりの負担になります。
そのために各メーカーからは刃を動かす方向と反対に重りを動かし、バランスをとることで振動を軽減するカウンターウエイト機能などを搭載した低振動のタイプを販売されています。
屋外での使用の場合は防滴仕様
屋外で使用することが多い場合は防滴仕様になった機種がおすすめです。
もちろん雨の中での作業はできませんが、急に雨が降ってきて濡れてしまっても故障しにくいので安心です。
疲れにくい軽量な商品を選ぶ
本体サイズや重量はさまざまです。使用用途や自分の腕力を考慮して、使いやすいものを選びましょう。
庭木の剪定などで持ち上げて作業することが多いのであれば、軽量の製品を選びましょう。1~2kgであれば片手で持てますので、疲れたら腕を変えて持つことができます。
また、パワーが必要ない作業の場合は、取り回しのしやすいコンパクトサイズを選びましょう。
少し頼りなさそうですが、簡単な作業であれば十分対応できます。収納もしやすく、置き場所に困ることもありません。
まとめ
今回はセーバーソーのメリット・デメリット。そして選び方を解説して参りました。いかがでしたでしょうか。
DIYやガーデニングにも大活躍します。この記事を参考にして使用用途に合ったベストなセーバーソーを選びましょう。