木工作品を作る上で欠かせない電動工具の一つが電動サンダーです。中でもオービタルサンダーは広い面を研磨するのに適しており、さまざまな用途で活躍してくれます。
今回の記事ではオービタルサンダーの特徴や使い方、サンディングペーパーに関して解説します。
特徴について
サンドペーパーを付けたサンディングプレートを小刻みに偏芯運動させて木材などの表面を削る道具です。
研磨面のパッド部が長方形で、広い面を研磨するのに向いているサンダーです。荒削りから仕上げまで使用できる万能タイプで多くの用途で活躍してくれます。
本機のパッドは1万回/分の速さで、径2回ほどのだ円運動をしていますが、見た目には振動しているようにしか見えません。
パッド部分が細かい動きをすることにより、繊細な研削・研磨を行うことが可能です。
密着させている限り、材料は平面を保てます。他のサンダーが大きな作動量で研磨速度を上げて、結果として材料から浮き気味な操作になるのとは対照的です。
モーターの回転運動によって振動を繰り返すので、研磨面にうっすらと円を描いたような跡が残ることがあります。
サンダーにはさまざまな種類がありますが、塗装前の材料を平滑に仕上げるなどの丁寧な作業には本機が一番向いています。
一方、塗装を剥がすような、強い研磨力が求められる作業には向きません。また、本機は力も必要としないので、女性でも扱いやすく長時間作業してもさほど疲れません。
使い方
スイッチを引くと電源が入り、サンダーが始動します。
スイッチを引いた状態でロックボタンを押すと、スイッチがロックされ、運転状態をキープします。停止する際には、もう一度スイッチを引きロックボタンを解除し、スイッチから手を離します。
スイッチを入れモーターの回転が安定したら、サンダーを部材に当てグリップを両手で握り、ゆっくり一定の速さで前後に動かします。
その時押し付けることはせず、本体の重量を利用し、パッド全体が材料に当たるように注意しましょう。
早く作業をしようと強く押し付けたくなる気持ちは分かりますが、本機はパッドに均等に力がかかるように持ちます。
サンダーの送り方向は部材の木目方向と同じにし、前後に動かしながら研磨します。
また、研磨跡に半分重なるように動かせば全体を均一に研磨できます。材料の端の方を研磨する場合には、角を丸くしないように、パッドの2/3が材料に載っているように作業しましょう。
本機は粉じんの排出が苦手なので、ゆっくりかつ止まらずに動かしてどんどん削りカスが排出されるように動かすのが使うコツです。
サンドペーパーの取り付け方
サンドペーパーは消耗品です。本機はクランプで止める事ができるので市販のサンドペーパーを自分で切り取って取り付けることができます。
集じん用の穴が開いているので同じ位置に穴を開けておきましょう。専用のパンチプレートが別売りで販売されているので、これを使用すれば便利です。
専用のサンドペーパーであれば最初からサイズも合っており、穴も開いていますが、割高です。
手順としては、まずサンドペーパーを本体に装着します。片方のペーパークランプを開いてサンドペーパーを挟み込みます。
たるまないように引っ張りながら、もう片方のペーパークランプに挟み込んで装着します。
サンドペーパーの選び方
本機を効率的に使うためにはサンドペーパーの選び方が非常に大切です。
サンドペーパーは番手といわれる番号で研磨剤のサイズが表示されており、番号が大きくなるほど細かく、サンディングした表面は滑らかになります。
まず、材料の凹凸に合わせた番手で全体を平らにし、その後順番に番手を上げて研磨するのが早く平らに仕上げるポイントです。
木材の塗装下地は、240番程度で仕上げます。また、布ヤスリは紙の約2倍程度の価格ですが、耐久性が高いのでたくさん作業する場合におすすめです。
専用ペーパーの場合は機種によってパッドサイズが3種類あるのでペーパーサイズもそれに対応しています。また、集じん穴がある機種は「穴付き」を選択します。
集じん機能について
サンダーで研削・研磨作業を行うと、大量の紛じんが発生します。この紛じんは吸い込むと人体に悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。
穴の開いた専用のサンドペーパーを使用することで集じん吸入口から排出口へ紛じんを排出することができます。
紛じん排出口には、ダストパックや集じん機のホースを繋ぎ、粉じんを回収します。
また、本体自体に紛じんを集じんするタイプもあります。こちらのタイプはやや高価ですが、別途集じん機も不要ですし、取りまわしやすく扱いも簡単です。
さらにフィルター内臓であれば、排気もクリ-ンで作業中も快適に作業が行えます。
ただし、発生する全ての紛じんを回収することは難しく、ある程度は粉じんが発生・飛散しますので、作業環境や作業者の装備などの考慮が必要です。
まとめ
今回の記事ではオービタルサンダーの特徴や使い方、サンディングペーパーに関して解説して参りました。
いかがでしたでしょうか?バリ取りや下地の調整、仕上げなどに研磨作業は欠かせません。
しかし、サンドペーパーを使っての手作業では非常に手間がかかり、スキル不足で仕上がりにむらができてしまうこともあります。
しかし、本機があれば、そのような手間もかからず、理想的な仕上がりを手に入れることができます。
作業の効率化も図れますので、オービタルサンダーはぜひ手に入れておくべき電動工具です。