*今回の悩み人*
『フロアタッカーについてもっと詳しく知りたいんだけど、どうやら高圧タイプが存在するみたいなんだ。通常タイプとの違いとか詳しい使い方とか知ってたら教えて欲しいです!』
今回の記事を読むとこんなことが分かります。
- 高圧フロアタッカーとは?基本的な基礎知識あれこれ
- 高圧フロアタッカーの具体的な使用法・注意点など
エアータッカーの中でもフロア打ちに特化したタイプをフロアタッカーと呼び、よりパワーを高めたものを高圧フロアタッカーと呼びます。
この電動工具を使用する事で通常タイプでは作業ができない箇所でも問題なくステープル(針)を打ち込むことが出来ます。
今回は高圧フロアタッカーについての基礎知識と、具体的な使用方法などを詳しく解説していきます。
そもそもタッカー・フロアタッカーって何ですか?
??『フロアをカットする工具かな?…と思ったけど今回はカッターじゃなくてタッカーなので間違えないようにしないとね。そもそもベースとなるタッカーが全く分からないっス!』
文字だけ見るとフロアカッターと呼んでしまいそうですが、フロアカッターという工具もしっかり存在するため、読み間違えないようにしましょう。
まずは基本となるタッカーについて簡単に解説しようと思います。
タッカーは大きなホチキスみたいなもの
ホチキスと言えば、主に紙や書類にコの字型の針を打ち込んで1つにまとめるもので、誰もが一度は使用したことがあるはずです。
タッカーは紙類ではなく薄い木材や壁紙、布地などに使用することができます。
建築現場では内装材に仕上げ打ちをしたり断熱材を止めたりと、特に薄い材料止めに有効です。
最近ではDIYでの使用も盛んに行われおり、自宅の壁紙の張り替えやイスのカバー張り替えなどに活用されており人気が伺えます。
??『今までは接着剤でくっつけたりしてけど、タッカーは針を打ち込むだけだからはがすのも簡単なんだよね。作業の時間短縮に大活躍の工具なんだよー!』
高圧フロアタッカーの特徴を解説!
ここからは高圧フロアタッカーの主な特徴をご紹介していきます。どんな工具なのかを理解する事で、難しく時間のかかる加工も簡単にこなせるようになります。
特徴① ステープルと呼ばれる針を打ちこんで使用する
コの字型の針を使用するのはホチキスと同じですが、タッカーで使用するステープル針は打ち込んだ後に先端が内側に折り曲がらず、そのままの形で打ち込まれます。
打ち込んだステープルは材料を貫通させる必要がないので、壁などにも使用できるということになります。
このステープルは、針サイズが大きくなるにつれて固定する力も強くなりますので、フロア材の接続部分の膨らみや割れを防ぐために使用されます。
『フロア材の膨らみを防ぐために使用するステープルは4mm幅の物が主流だけど、より固定力をあげたい場合は8mmや11.3mmなども使用するよ!』
また、一般的な工法では長さ38mmのステープルを使用しますが、防音や防振の用途で中間材を挟む場合50mmのステープルがよく使用されます。
特徴② フロアタッカーには2種類のタイプが存在する
フロアタッカーと一口に言っても、パワーや用途の異なる2種類の物が用意されており、これを常圧用・高圧用と区別して呼んでいます。
この2つを使用する時に、高圧か常圧かによって選ぶコンプレッサーも変わってくるのでしっかりとタイプを確認することが重要です。
ここでは2つの違いや特徴を解説していこうと思います。
名称 | 主な用途と特徴 |
---|---|
常圧用 フロアタッカー | 高圧タイプと比較してパワーは劣りますがその分長時間の作業に適しています。 空気圧の設定はMAX0.38Mpaとなっており、硬い素材への使用は不向きですが連続打ち、単発打ちを繰り返すような作業に向いています。 高圧用に比べ重量が重く、女性が扱うには苦労しますが大きな素材を数多く固定しなければいけない場面で活躍します。 価格はメーカーにもよりますが、¥40,000円〜で購入できます。 |
高圧用 フロアタッカー | 常圧タイプよりハイパワーなのが特徴で、硬い床下でも簡単に打ち込む事が可能です。 空気圧の設定はMAX2.3Mpaほどあり、常用タイプより小型で軽量化がなされており安定した打ち込み力が持ち味です。 しかし、連続使用ができない弱点があるため短時間作業に使用するのがオススメです。 価格は¥55,000〜と、常圧に比べ少しだけ高くなります。 |
??『ステープル針はコの字型だから打ち込んだ跡が目立つんだよね。だから用途としては薄ベニヤ留めや石膏ボード留め、他には防音材や防湿剤留めなどの目立たない場所に使われるよ。』
具体的な使い方解説!
ここからは高圧フロアタッカーの使い方を解説していきたいと思います。適切に使用して作業効率を最大限に上げましょう。
作業前に確認すること
対応したエアーコンプレッサーを用意して、エアホースを取り付けてステープルを打ち込み作業完了!
…と、簡単な作業に感じますが、作業前に確認したいことがいくつかありますのでご確認ください。
①保護メガネを着用する
工具使用中は必ず保護メガネを着用し、周りにいる人にもメガネ着用をかけかせてください。
※ステープルを連結している接着剤やテープの破片が飛んできたり、打ち損じたステープルが目に入ると怪我をします。
②エアーコンプレッサー以外の動力源を使用しない
フロアタッカーはエアーコンプレッサーから送られる空気を圧縮させた物を動力として動きます。
※アセチレンやプロパン等の高圧ガスを使用すると爆発の原因となり危険なので絶対にやめましょう。
その1 :適切な空気圧を確認する
使用する機種に応じた適切な空気圧があり、高圧フロアタッカーの場合はMAX2.3Mpaなので、この数値の範囲内で空気圧力を設定しましょう。
??『この空気圧の範囲をオーバーして使用すると本体が壊れたり大きな事故や怪我をしたり、本体の寿命にも影響するからしっかり守ろうね!』
取り扱う材質や、使用するステープルの長さによって適切な空気圧力に調整することで快適な作業が可能となります。
その2 :用途に合ったステープルを装填する
※ステープル針を装填する時は本体のスイッチトリガーから指を離し、必ずエアホースを取り外した状態で行ってください。
ステープルフィーダを急に戻すと、勢いよく元の場所に戻ろうとするため衝撃でステープルが変形してしまいます。
また、針がバラバラになったりしてステープルの詰まりなどの原因となるのでステープルフィーダは必ずゆっくりと戻しましょう。
その3 :打ち込み深さを調整する
※1こちらもステープル同様、調整時は本体のスイッチトリガーから指を離し、必ずエアホースを取り外した状態で行ってください。
※2アジャスタの調整をするときは、射出口を必ず下に向け、射出口が手や顔に向いていない状態で行いましょう。
本体に搭載されたアジャスタを回すことによりステープルの打ち込み深さを調整する事ができます。
打ち込んだステープルが沈みすぎる時は浮き→の方向に回し、浮きすぎる時はアジャスタを沈⇦に回して調整しましょう。
??『打ち込み深さの調整は空気圧力によっても調整できるから、アジャスタと併用してピッタリな深さに設定してみてね!』
単発打ち・連続打ちとは?
単発打ちとは、コンタクトアームを打ち込む対象材に押し当ててからトリガを引くことで、一本ずつステープルを打ち込む事ができます。
この方法は主に、狙った場所に正確にステープルを打ち込みたい場合や仕上げを重視したい時に使用します。
- 切り替えロッドをFreeの位置に設定する。
- 打ち込みたい材料にコンタクトアームを押し当てる。
- 素早く確実にトリガーを引く。
連続打ちとは、トリガーを引いたまま材料にコンタクトアームを押し当てる動作を繰り返すことで、連続的にステープルを打ち込むことができます。
これは主に屋根や床、壁などの下地打ちに適しています。
- 切り替えロッドをFreeの位置に設定する。
- トリガーを引く
- トリガーを引いたままコンタクトアームを対象物に押し付けると連続打ちができます。
使用上の注意点って?
フロアタッカーは空気で打ち込むだけの単純な工具に感じますが、取り扱い方を誤ると大きな事故や怪我になるので、しっかりと注意点を確認しましょう。
保護メガネ着用の徹底
とある大工さんのお話を伺うと、やはり作業中は想像以上に忙しくハードに動くので眼鏡が曇ってしまうので、結果として保護メガネを使用しない方が多い現状とのことです。
しかしステープルが目詰まりしたり、材料が硬くてうまく刺さらなかった場合に勢いよく空中に飛んでいく事があります。
これは針を送る部分が摩耗した時に起きやすくなる事象なので、頻繁にこのような事が起きる場合は修理か新品を購入しましょう。
人に向けない、自分の人体に向けない
エアー工具は電動工具より軽んじて見られる事があり、空気だからと油断した人が大怪我をするケースが多く見られます。
圧縮した空気は想像以上のパワーがあり、仮に射出口を身体に押し込まれた場合、腕や足であれば簡単に肉を貫き骨は粉砕されるでしょう。
幸いトリガーだけを引いても、コンタクトアームを押し付けない限りステープルは射出されませんし逆も然りなので、人に向けて打つような事は出来ません。(改造していない限り)
射出口の先には絶対に人が居ない、人体が無い状態を徹底しましょう。
まとめ
今回は高圧フロアタッカーについての基礎知識や使用方法、そして取り扱う上での注意点などをご紹介しました。
床に木材などを打ち付ける際、通常のエアタッカーだとフロアが浮き上がってしまうとか、フロアがひび割れてしまうなどの問題が起きやすいのですが、フロアタッカーはその弱点をしっかりとカバーした構造になっております。
エアタッカーより効率的で綺麗な作業が可能になるので、硬い材質を扱う現場でフロア打ち作業をたくさん行う機会がある人は、フロアタッカーを選べば間違いありません。
また、イスのカバーを交換したりソファなどのファブリック張り替えるDIYにも使用できるので、近年人気が上昇しております。
一家に1台!とは言いませんが、持っていると色々な活用法があるのでご家族で相談して導入を検討してみてはいかがでしょうか。