包丁やナイフなどの刃物は切れ味を保つためにも、定期的に研いでお手入れすることが、とても重要です。
研ぐ道具としては砥石はもちろん、専門店の本格的な研ぎ器から生活雑貨店や100均などで手に入るものまでさまざまです。
そこで今回は、近年人気を得ている電動研ぎ器「ファインシャープナー」のメリット・デメリットとシャープナー全体から見た砥石との違い、最終的にどちらが良いのかというに関して解説します。
ファインシャープナーのメリット・デメリット
ファインシャープナーにはさまざまなメリットとデメリットがあります。
ファインシャープナーのメリット
ではまず、メリットから見ていきます。
- たった30秒で包丁の切れ味を取り戻せる
- 研ぐ際に角度を一定に保つ包丁用ガイド付きなので、簡単に研ぐことができる
- ガイドを外せばハサミ、ニッパ、彫刻刀など、さまざまな金属刃物のお手入れも出来る
- 専用カバーがしっかり装着されているので、多少力を入れ過ぎても安定して研ぐことができる
- 1つの包丁の表と裏で10分あれば切れ味が改善する
- お手入れは水洗いだけでOK
- 砥石の部分はファインセラミック製なので丸洗い可能でお手入れが簡単
- 電動歯ブラシの原理を応用し音波振動の力を利用し研磨
- 音波振動による素早く安定した研ぎ口。
- ファインセラミック製の砥石が1秒間に150回以上往復する音波振動により刃物を素早く鋭い切れ味へ仕上げる
- 刃に対して垂直方向に研ぎ器が振動することで、古くからの砥石による研ぎ方を再現し、本格的な鋭い切れ味を実現し、食材を気持ちよくカット
- 小さくて収納も楽
ファインシャープナーのデメリット
たくさんのメリットがありましたが、一方でデメリットもあります。続いてはデメリットを見ていきます。
- セラミックを使って研ぐので、セラミック製の包丁には使用できない
- 平面にセットして使用すると、音や振動が気になる
- 砥石部分の厚みのためにハサミによっては研げないものがある。
- 一時的なもので持続性はない
- 研ぐ頻度が多くなる
- 研ぎ方が悪いと湾曲した形になる
- 片刃ナイフ(出刃包丁、刺身包丁)や特殊な刃付けのナイフ(パン切り包丁)などは研げない
シャープナーと砥石の違いについて
ここではシャープナーと砥石の違いについて見ていきます。
シャープナーと砥石では原理が違う
新品の包丁の刃は目には見えませんがギザギザです。包丁を押したり引いたりするとこのギザギザで食材を切るのです。
切れなくなった包丁の刃先は丸くなっています。その丸くなってしまった刃先をギザギザに戻すことが研ぐということです。
このギザギザを戻す過程に於いて、砥石の場合は丸くなった刃を削り、元の状態に戻します。
一方、シャープナーの場合は、刃先を削るのではなく、刃先を擦ってギザギザを作り出しています。
削っているわけではないので、砥石ほど効果は長続きしませんし、シャープナーを使い続けると刃先が丸くなってしまうので、切れ味が戻りにくくなってしまうと言われています。
これらを避けるには、普段はシャープナーで切れ味を戻して、月に1回くらい砥石で研げば避けることができます。
若しくは割り切って、安い包丁とシャープナーのみで使えるところまで使い、包丁が限界に来たら買い替えるという手もあります。
シャープナーも砥石も切れ味自体は大差ない
包丁をシャープナーで研いだ直後と砥石で研いだ直後の切れ味自体は実際さほと違いはありません。
もちろん、プロが砥石で研いだ場合には差が出てくるでしょうが、家庭で素人が研ぐ分には、かえってシャープナーの方が砥石より切れ味が良くなっていることもあります。
シャープナーでも十分満足いく切れ味を出すことができるのです。簡易性だけを考えたら、包丁にさほどこだわりがない人なら圧倒的にシャープナーがおすすめです。
一番大きな違いは切れ味の持続性
シャープナーと砥石は切れ味自体では無くて、その切れ味の持続性に違いがあります。
シャープナーは丸くなった刃先を擦り一時的に切れ味をよくするものであって、切れ味が長持ちしません。
本来の用途としては、調理中に切れ味をすぐに復活させたい時に使用するというものです。それに対して砥石は金属を削ることで刃先を鋭くしていきます。
結論を言うと、
- シャープナー:切れ味が持続しない
- 砥石:切れ味が長く持続する
となります。
シャープナーと砥石はどちらが良いのか
金属製(ステンレス・鋼など)やチタン製の両刃ナイフ用で安価で一時的に使えればいいのなら「シャープナー」。
片刃ナイフ(出刃包丁、刺身包丁など)やパン切り包丁などの特殊な刃づけのナイフや高価な包丁で長く使いたいならば砥石というところです。
しかし、シャープナーと砥石は本来であれば比較対象で無いのかもしれません。
そもそも砥石は包丁を長持ちさせるための「手入れ」が目的で。シャープナーは切れ味を回復させるための「応急処置」が主な役割だからです。
どちらが必要かと言われればどっちもあった方が便利という答えになります。
ただ、簡易性だけを考えたら圧倒的にシャープナー、高価な包丁を使っているのなら間違いなく砥石です。
まとめ
今回は、電動研ぎ器「ファインシャープナー」のメリット・デメリットとシャープナー全体から見た砥石との違い、最終的にどちらが良いのかというに関して解説してまいりました。
いかがでしたでしょうか?
シャープナーは簡単に使えて便利ですが、意外とデメリットもあります。安価な包丁で時間がない人でしょうか。
反対に砥石は包丁を長持ちさせるのには必須です。高価な包丁を使われている方にはなくてはならないものです。
この記事がベストな選択をするために参考になれば幸いです。