*今回の悩み人*
『ねぇねぇ、トリマとか言う電動工具のこと知ってる?こないだ知人がものすごーく仕事が捗るようになったって自慢してたよ。私も購入してみたいんだけど、具体的なメリットとかデメリットを詳しく教えてくれませんか??』
今回の記事を読むとこんなことが分かります。
- トリマって?基本的な基礎知識あれこれ
- トリマの具体的なメリット・デメリットとは
トリマを導入することで、仕事の効率が大きく向上した知人を知った今回のお悩み人さん。
トリマとは一体なんなのか?そして導入することで具体的にどれくらいの作業効率化がもたらされるのか…
今回はトリマについての基礎知識と、具体的なメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
そもそもトリマって何ですか?
ここでは初心者に向けたトリマの基本的な情報や特徴を簡単に解説していきたいと思います。
そんなことは知っているから早くメリットデメリットが知りたい!という中級者以上の方は、メリットの項目へスキップして下さいね。
トリマは木材の切削加工が得意な電動工具
『トリマって聞くとさ、ペットの毛をバリカンとかハサミで整えてくれるプロの方を思い浮かべるよね。でも今回の工具は語尾をトリマーって伸ばしてるし別物かな。』
トリマは先端の工具(ビット)を高速回転させて木材を切削できる便利な電動工具です。
この先端工具『ビット』を交換することでトリマを代表する加工法『 飾り面取り』をはじめ、『 溝の作成』などの木材加工が可能です。
トリマの特徴を解説!
ここではトリマの主な特徴を簡単にご紹介していきます。どんな工具なのかを理解する事で、難しい加工も簡単にこなせるようになります。
特徴①ビットを付け替えて色々な木材加工が出来る
ビットは先端工具と呼ばれ、主に電動工具の先端に取り付けて高速回転させることで対象を削ったり工具によってはビスを締めたり等、色々な事が出来るようになるアタッチメントのことを指します。
トリマにはビットが多数用意されていて、
- 面取り用ビット
- 切り抜き用ビット
- 接合用ビット
- 溝切り用ビット
- 座堀カッター
の5種類に分類されます。
そこから更に細かく分けられたビットは実に40種類以上にもなり、それぞれを使い分けることで効率的な作業が可能となります。
??『40種類の使い方は覚えなくても大丈夫だから安心してね!基本的には飾り面取り用ビットと溝切り用ビットだけ覚えればOKだよ。』
特徴②ルーターとは似ているようでちょっと違う!
トリマはよく『ルーター』という電動工具と混同されがちで、毎日使用している人も、違いを聞かれると咄嗟には答えられない方が居ます。(私もそのうちの一人でした…)
ここでは簡単ではありますが、この2機種の違いをご紹介します。この違いを理解することで脱初心者に一歩近づくはずです。
トリマ | ルーター |
---|---|
・片手で操作可能 | ・両手持ち操作が前提 |
・細やかなで繊細な作業向き | ・パワーを要する作業向き |
・飾り面取りに重点を置く | ・溝切りに重点を置く |
・毎分30,000回の高速回転 | ・トルクを重視し硬材にも対応 |
上記のようにトリマは高速回転を活かし繊細で複雑な加工を得意としている一方、ルーターは粘りあるトルクで柱や角材といった硬い材質の溝切りを得意としています。
トリマでも溝切りが出来ますが、切削量の多い作業ではルーターを使う…このように互いを使い分けて効率的に作業を進めていきましょう。
特徴③ 電源コードタイプとバッテリー充電タイプがある
トリマはコードレスのタイプが用意されており、煩わしいケーブル周りをスッキリさせた状態で作業に集中することができます。
??『操作している工具から伸びているコードを、まさかの工具本体で切断して感電しちゃったケースもあるからコードレスタイプは嬉しいかも。でも、コードレスもメリットデメリットがあるんだよね。』
まさかと思われがちですが、自分が操作している工具で電源ケーブルを切断してしまう事故は比較的多く、油断はできません。
そうなるとコードレスタイプしか使う理由が無いと思いますが、作業によっては充電式はパワー不足になる事もあるので、それぞれ用途に合ったトリマを選択する必要があります。
具体的なメリット・デメリットを解説!
ここからはトリマのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
まずは一覧にするとこんな感じです。
- 木材加工の仕上がりがとても綺麗になる
- 高価だけど費用対効果はとても高い
- 木材の硬さに合わせて回転数を調整できる
- DIYの作業をワンランク上げてくれる
- 作業音がとても大きい
- 木屑や粉塵が大量に飛散する
- やや扱いが難しく大怪我のリスクが潜む
◯メリット1 木材加工の仕上がりがとても綺麗になる
実はトリマが得意とする作業は他の電動工具でも出来ちゃいます。
『じゃあトリマ要らないじゃん!』とツッコミたくなると思いますが、トリマを使用することで木材加工の仕上がりがとっても綺麗になります。
一見簡単そうに聞こえますが、仕上がりレベルを上げることはどの電動工具にも真似が出来ず、トリマだけの特権であります。
飾り面取りや家具の彫刻、文字切り抜きなどの複雑な作業が綺麗にこなせるトリマは唯一無二の存在であることが伺えます。
◯メリット2 高価だけど費用対効果はとても高い
先日、トリマの事をほとんど知らない方に『トリマって実際高いのか、それとも安いのか』と質問されました。
電動工具はメーカーやタイプによって本体価格が変化するので一概には言えませんが、トリマは最低でも10,000円以上するものという認識で良いかと思います。
本体だけで見ると、まぁ、思ったよりも高くないかなと思いますが、先端工具であるビットが少々お高くつくので覚えておきましょう。
(高性能ビットは本体以上のお値段がするので注意)
初期投資が13,000円ほどで複雑な工程を綺麗に、しかも仕上がり良く出来るならコスパが良い部類ではないかと思います。
◯メリット3 木材の硬さに合わせて回転数を調整できる
回転数の調整はどの機種にも搭載されていそうでなかなか無い機能でして、あったらとても嬉しい機能です。
どういう事かというと、柔らかい木材に対して超高速でビットを回転させても材料が必要以上に削れてしまったり、最悪木材が摩擦熱で焦げてしまいます。
(ヒノキやケヤキなどの高級な木だと下手な金属より値が張る場合があるので、取り扱いに十分注意したいですね…)
しかし安い木材であっても材料を無駄にして良い理由にはなりません。
特に初心者は、本体の回転数を自動で調整して適切な切削加工が出来る機種を選ぶようにしましょう。
◯メリット4 DIYの作業をワンランク上げてくれる
あり合わせの材料で作ったなんの変哲もない無骨なDIY家具…この記事を読んでいる皆さんでしたら一度は作成した経験があるかと思います。
そんな、木を切って釘で打ち付けただけの家具がオシャレなカフェや一流家具メーカーで販売されているかのような仕上がりになるとしたら…?
トリマを使用することで細やかな装飾を施す事ができます。
当記事の冒頭でお伝えした『飾り面取り』などを駆使する事で木材の断面や端部に凝った加工を施すことが出来ます。
テーブルや椅子ひとつとっても、手足が当たる部分がツルツルで滑らかな仕上がりであれはずっと使用していたくなりますし、愛着も湧いて来ることでしょう。
技術も上がり、仕上がりも綺麗になるトリマを使いこなせるようになれば間違いなく一人前の技術者、DIYerと呼べるでしょう。
×デメリット1 作業音がとても大きい
トリマの作業音は、工具界で一番うるさいと言われていた丸ノコよりも大きいので使用の際には注意が必要です。
例え自分のガレージであっても、防音施工がされていない室内での作業はどうしても音が漏れて外部に影響が出ます。
お隣さんが居ないような場所なら気にせず使用できますが、可能であれば近隣の方に前もって使用する旨を伝えておくとか、日中だけの使用に留めるなどの工夫をして、自他共に気持ちよく使用したいところです。
×デメリット2 木屑や粉塵が大量に飛散する
他の工具と比べると大量の削りカスが出るので絶対にマスクや防塵ゴーグル等を装着して作業をしましょう。
以前までは丸ノコが騒音も粉塵の量も一番だったのですが、トリマには勝てません。
この問題に関しては『集塵機を取り付ける』のが有効とされています。
集塵機に関しては各メーカーの対応するものを装着するほか、使用していない家庭用の掃除機を改造して取り付けるなどの方法がありますので、ご自身の用途に合うものを選んでみて下さい。
×デメリット3 やや扱いが難しく大怪我のリスクが潜む
ここまでのデメリットはどれも『丸ノコ』と比較したデータを元にご紹介しました。…では、なぜ丸ノコと比べたのか?
丸ノコは電動工具の中でトップクラスの性能と騒音、そして大きな怪我のリスクを潜ませています。
しかし近年ではトリマがそれらを覆してしまいました。
怪我のリスクは電動工具の中で最も高く危険と言われるトリマは、毎秒30,000回も回転する超高速マシンであり、それが手元にあると思うと怖く感じてしまうかも知れません。
ひとたびキックバックが起きれば、人間の力では制御することが出来ませんので必ず回転数を上げてから材料に当てて始動する、力任せにトリマを押し付けないことが重要です。
まとめ
今回はトリマの基本的な情報や特徴、そして導入に際してのメリットとデメリットなどをご紹介しました。
トリマは扱いが少々難しく一歩間違えると大怪我のリスクを潜んでおり初心者には難易度の高い電動工具に感じられるでしょう。
しかし、どんなに安全と言われる電動工具でも誤った使用方法や不適合なパーツを運用するとあっという間に大怪我をします。
取り扱いに不安を感じる方は必ず経験者や工具に詳しい人から使用法をレクチャーしてもらったり、家具製作会社やトリマの販売元が特別講習会を開催していることもありますので、そちらに参加するのも良いかと思います。
工具を持った時点で怪我や事故のリスクが生じる事実をしっかりと理解して、安全で楽しく電動工具を扱うように心掛けたいものです。