サンダーは、DIYを行う上で、使わなくてはならないという道具ではありません。
ただし、絶対に使った方が良い道具ではあります。サンダーを使用したものは木の表面の肌触りがすべすべになって全く違います。
そこで、今回の記事では、サンダーの中でもオービタルサンダーのメリット・デメリット、そして選び方を解説します。
本機のメリット
効率よく研磨できる
この効率化こそが、本機を使用する上での最大のメリットです。
本機を使用すれば、手作業でヤスリがけをするよりも、はるかに短時間で作業が終了します。
家具をはじめとするパーツが多いものを制作している時は本当に助かる工具です。
広範囲を仕上げられる
手作業でヤスリがけをすると、全体的に見ることが出来ず、ヤスリがけにムラが生じがちです。
しかし、本機を使用すれば、広範囲をまんべんなく研磨出来ます。ムラが生じにくく、結果として綺麗に仕上がります。
紙やすりの装着が簡単
紙やすりの装着はクランプを外して、そこに挟み込むだけです。この装着した紙やすりの部分が、小刻みに回転して研磨してくれます。
操作も簡単
操作もレバーを握って、木材の表面をなでるだけでOKです。力は必要なく、サンダーを支えているだけで十分です。
逆に力を入れてしまうと、木材に段差ができてしまったり、本機を傷めてしまうなど逆効果です。
集じん機能付き機種であれば、削りカスはダストボックスへ一直線
紙やすりを使って研磨をすれば、当然削りカスが出ます。
しかし、集じん機能付きであれば、削りカスを吸い込んでくれます。そして吸い込んだカスはダストボックスに溜めてくれます。
仕上げ作業を行っていると、細かい番手の紙やすりを使用しますから、必然的に削りカスも細かくなります。
もちろん、完璧に吸い込むわけではありませんが、紙やすりの穴から掃除機のように削りカスを吸ってくれる機能は嬉しいです。
動作音も比較的静か
騒音の感じ方というのは人それぞれではありますが、動作音は思ったより静かです。
もちろん、全く音がしないわけではありませんが、丸ノコなどと比べたら、明らかに静かです。
本機のデメリット
初期投資やランニングコスト
手作業でヤスリがけをする場合は、紙やすりは極端な話100均にも売っています。しかし、電動オービタルサンダーは安い機種でも5,000円前後です。
この初期投資を高いとみるか、安いとみるかが本機導入の一つのポイントとなります。
それでも、本機は市販の紙やすりを装着出来ますので、マルチサンダーやランダムサンダーと比べたらランニングコストはかかりません。
このように初期投資やランニングコストはかかりますが、それを差し置いても抜群の作業効率を実現するのが本機です。
熟練するのに多少時間がかかる
本機は手作業より研磨のパワーが強いので、購入当初は制御するのに苦労する可能性があります。当然ですが、一度削り過ぎてしまったらリカバリーは困難です。
しかし、だんだんと慣れてくると面白くなってきます。新しい工具を使い徐々に熟練していくのも、楽しみの一つと言えるでしょう。
集じん機能を使うには穴が開いた紙やすりが必要
非常に便利な集じん機能ですが、穴が開いた紙やすりが必要です。
集じん機能付きの本機を購入した際に同梱されていた穴開きの紙やすりを使い切った後は自分で準備する必要があります。
これには2つの方法があります。
専用の紙やすりを準備する。
この方法が手間もかからず一番簡単な方法です。ただ、ややコストが上がってしまいます。
パンチプレートを利用し、市販の紙やすりを使用する
専用の紙やすり、いわゆる純正品以外の紙やすりでも穴を開けて使用できるようにパンチプレートが準備されています。
DIYが趣味の方は紙やすりをまとめ買いしている人も多くいますので、そのような場合はパンチプレートを使用すれば対応できます。
本機の選び方
本機は本体の大きさやモーターの回転数・付属機能の違いによってさまざまな機種が販売されています。
ここでは本機の選び方に関して解説します。
機能で選ぶ
本機を使用していると飛散する削りカスに悩まされたり、騒音により近所迷惑にならないかヒヤヒヤします。
このような時に、サンダー自体に対処できる機能があれば、助かります。
人気のモデルには「集じん機能」「静音機能」「スピード調整機能」などが搭載されています。
これらの機能は使用中の快適さだけではなく、仕上がりの見た目の向上にも繋がりますので、なるべく便利な機能付きの機種を選択しましょう。
集じん機能
研磨で発生する紛じんは、身体に害を及ぼしますので、集じん機能がついている機種を選びましょう。
おすすめはモーターの力で粉塵を容器に集めることができるタイプです。容器からそのまま紛じんを捨てることが出来ます。
ただし、集じん機能が搭載されていても100%の紛じんを吸うことは出来ませんので、使用する際は必ず窓を開けて、通気を良くして作業を開始してください。
また、作業時にはマスクやゴーグルが必要です。
静音機能
本機の駆動源はモーターで研磨して、集じんで吸い込みますので、そこそこ音は出ます。作業台が軽量だったり、対象物を固定できない場合は、サンダーの振動が床に伝わりかなりの騒音となります。
近所との距離が近い、あるいは集合住宅にお住いの場合は静音機能付きの機種がおすすめです。
静音機能は。主にモーターの回転数調整によって行われます。モーターの駆動音と本体の振動はどちらもモーターの回転数次第ですので、回転数を抑えれば騒音・振動も抑えられます。
回転数調整が出来る機種は回転数の仕様が幅を持たせて表示されています。
スピード調整機能
当機能も静音機能と仕組みは同様です。研磨対象に合わせダイヤルまたはレバーで変速機能を操作し、段階的にモーターの回転数を調節していきます。
ただし、スピード調整機能・変速機能は電子的な機構が必要になるため、本体価格もその分だけ高くなります。DIY用と言うよりもプロ向けの機種に多い機能です。
サンドペーパーの交換方式で選ぶ
サンドペーパーは消耗品です。オービタルサンダーならば、ほとんど市販のサンドペーパーを使うことができます。
クランプ式
サンドペーパーを適切なサイズにカットして、ラバーパッドにクランプレバーで固定して使用します。
マジックテープ式
ラバーパッドにマジックテープが付いているタイプです。このタイプはマジックテープ式のサンドペーパーも取り付けることが可能です。
一般的なサンドペーパーより高価ですがワンタッチで着脱出来るのは魅力です。この他どちらの方式にも対応する機種もあります。
コンパクトタイプ
本機は基本大型ですが、ミニサンダ―と呼ばれる小型のタイプも存在します。
軽量で片手でも使えるので、研磨作業をしていてもあまり疲れません。小回りが利くので立体部分の研磨にも使用できます。
ただし、小型なのでパッドが小さく、広い面での研磨作業には向いていません。
狭い範囲のみ研磨したい時や、最終チェックで磨き足りない場所を見つけた時に使うサブ機と位置付けましょう。
充電式タイプを選ぶ
ラインナップはあまり多くありませんが、充電式の本機も販売されるようになってきました。コードがないので使う場所を選びませんし、取りまわしも楽です。
本機は広い平面を磨くのに適した工具なので、動かすたびにコードを気にせずに済めば作業に集中できます。
ただし、充電式ということは、バッテリーの残量がなくなるとモーターが動かなくなります。
バッテリー容量やモーターの回転数によって一概には言えませんが、フル充電で1~2時間程度と考えておきましょう。
ちょっとした研磨や最後の仕上げ程度であれば十分ですが、ペーパーの番手を替えながら最初から最後までの作業となるとバッテリー切れの不安があります。
まとめ
今回の記事では、本機のメリット・デメリット、そして選び方を解説して参りました。
いかがでしたでしょうか。本機は、塗装の出来栄えに大きく関係してくる電動工具です。今回の記事を参考にしてベストな機種を選んで下さい。